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平成23年2月定例会(第3日) 名簿
平成23年2月定例会(第3日) 本文

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  1. 佐賀県議会 2011-02-03
    平成23年2月定例会(第3日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(留守茂幸君) これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎土井敏行君(拍手)登壇=おはようございます。二月定例県議会一般質問二日目、トップバッターを仰せつかりました土井敏行でございます。  議長に登壇の許可を得ましたので、通告に従い順次一般質問を行います。  まず一項目め、問いの一は、県政運営の総括についてであります。  知事の二期目の任期も、残すところわずかとなりました。知事は既に昨年九月、次期県知事選への出馬を表明されており、出馬会見の席上、また、その後の県議会での質問等に対し、これまで二期八年間の県政運営について、一定の評価が得られていると考える、また、プラスマイナス、それぞれのことがありながら、県政は真っすぐ前を向いて進んでいると自己評価された上で、三期目に挑戦する理由として、これまで手がけてきたことの花を開かせたいと述べておられるところであります。  前を向いて進んでいる、ことし年頭の知事のあいさつのテーマは「前へ」という言葉でありました。昨年末、NHKスペシャルドラマで評判になりました司馬遼太郎原作「坂の上の雲」、あの中に登場する魅力的な明治人がたくさんおりますが、坂の上の青い空に浮かぶ白い一朶の雲があるならば、その一朶の広い雲を目指して、それのみを見詰めて、前へ前へと進んでいった、あの明治人の気概が今求められているのではないかと私も思うところであります。  古川県政の二期八年間の評価については、県民の間にもさまざまなとらえ方があると思われます。中でも、県民の意見が分かれる大きな問題に対する知事の判断に対しては、評価する意見もあれば、批判的な立場からの意見もあると思います。  私自身は、二元代表制のもと、車の両輪である県議会に籍を置く者として、執行部の方針や政策に対し、常に是々非々の立場で臨み、これまで県政の各分野の課題について、この県議会の場において真剣な議論を積み重ねてきたところであります。結果のよしあしは別として、当然のことながら、政策の違いで新幹線の問題など対立することもあれば、協調することもあります。  古川知事自身、この八年間の県政運営について、うまく成果を出せたところもあれば、問題が残ったと感じておられるところもあるものと考えます。  また、平成十五年に全国初めてとなるローカルマニフェストを掲げて当選され、二期目においても新しい形のマニフェストを提示されるなど、地方におけるマニフェスト選挙の草分け的な取り組みを推進されてきましたが、実際に県政のかじ取りを行う中で、さまざまな要因により、マニフェストで挙げた取り組みを断念したり、変更せざるを得ない状況もあった中で、マニフェストのあり方についてもさまざま考えるところがあるものと思います。  そこで、次の点についてお伺いしたいと存じます。  一点目は、二期八年間の総括についてであります。  二期八年にわたる県政運営を振り返ったときに、知事自身、成果と課題をどのように総括されているのか。  また、マニフェストについては、昨日、岩田議員の質問もあり、社団法人日本青年会議所佐賀ブロック協議会マニフェスト検証大会にも、私自身もOBとして参加をし、知事の意見等も聞いたこともありますが、ここで改めて、マニフェストのあり方に対する思いも含めてお伺いしたいと存じます。  二点目は、次期への思いについてであります。  もし、三期目の県政のかじ取りを負託されることとなった場合、これまで八年間の成果や課題を踏まえて、どのようなことに取り組んでいきたいのか、知事の思いを伺いたいと思います。  二項目めは、海外拠点についてであります。
     今月十四日、内閣府が発表した二〇一〇年の我が国の名目GDP速報値によると、中国が我が国を抜き世界第二位の経済大国となることが確定しました。急速な経済発展を遂げつつある中国との経済関係を深めていくことを考えれば、中国のゲートウエーとしての機能を持ち、自由港として関税などの障壁が低い香港をうまく活用することが非常に重要な視点であると私自身考えてきました。  そこに、タイミングよく昨年八月に、アジアの若手ミュージシャンといいますか、若手音楽家が香港に集うアジアユースオーケストラが初めて佐賀で行う公演の際、受け入れを行い、私が実行委員長を務めることになりました。そのことによって、香港政府機関との関係を構築する機会を得て、インベスト香港と関係を持つことができました。  アジアユースオーケストラというのは、香港特別政府がスポンサーとなって基金をつくり、これにはジャッキー・チェンさんとか、香港の有名人も基金を出しているそうでありますけれども、アジアで勉強している若い音楽を志望する学生、大学生、大学院生が中心でありますが、毎年二千名ぐらいの中からオーディションで百名を選び、オーケストラをつくり、そこに世界の一流の演奏者が指導をして、三週間、香港でキャンプをして、その後三週間、全世界を回ってツアーコンサートをするというようなオーケストラでありまして、ユースのオーケストラとしては世界で五本の指に入るオーケストラであります。  この議場にいらっしゃる議員の皆さんも、たくさんの方に当日、佐賀市文化会館に聞きに来ていただいたと思います。大変感動的な演奏でありました。千七百人が入り、文化会館でのクラシックのコンサートとしては過去最高に入ったというふうに聞いております。  それと、インベスト香港についてですが、このアジアユースオーケストラを香港はいろんなところへ出しておりますが、同時に香港政府は、その文化交流を先兵として、後の経済交流につなげていくような戦略を持ってやっているわけですが、香港に投資をする、そんな会社の、いわゆるコンサルティングをやる、政府の手助けをする機関がインベスト香港であります。  また、このアジアユースオーケストラは、通称AYOと言われております。彼らが佐賀に来て一番最初に言ったのは、佐賀で一番何を知っているかといったら、佐賀牛だと、佐賀ビーフだと言いました。香港では、佐賀牛はナンバーワンのブランドになっているようであります。  九月には、そのインベスト香港によるセミナーと昼食会が佐賀で開催され、多くの県内企業や県議会議員も参加されたところであります。このセミナーも踏まえ、その後の九月議会では、海外拠点設置に向けた検討についての議論がなされ、篠塚県議の質問に対し知事は、平成二十三年度に何らかの形で海外拠点を置くことを検討すると答弁されました。  また、十一月には、唐津くんちの集いにおいて、香港政府より、ぜひ来年のニューイヤーパレードには曳山を招待したいという積極的な誘致の話もあり、香港政府の日本の地方との連携に対する熱意を感じたところであります。  そうした中、佐賀県議会において原口義己議員、稲富正敏議員、藤崎輝樹議員と私を含めた四名の議員により、海外拠点設置に向けた香港視察を行いました。海外拠点としての香港の可能性について、さまざまな視点から検討を重ねた上で、香港を最も有力な地域として報告書をまとめたところであります。  ここに、その報告書があります。(資料を示す)全部で四十ページに及ぶ報告書であります。  そうした中で、今議会冒頭において、知事は海外拠点設置について、香港と瀋陽を候補とし、今後準備を進めていく考えを示されました。私たちの報告書が、提案が、今回の決定に少しは役に立ったのかと、うれしく思っているところであります。  そこで、次の点についてお伺いしたいと思います。  一点目は、香港と瀋陽を候補とした理由についてであります。  我々、香港視察団によりまとめた報告書の中で、香港のメリット、デメリットを整理しました。  そのメリットとしては、アジアにおける絶好の立地とハブ空港としての機能を持っている。あと、そういう絶好の立地を持っております。  中国大陸市場に対するゲートウエー、いわゆる玄関口としての機能を持っております。中国本土は、香港最大の貿易の相手の地域であります。上海まで二時間、北京まで三時間のフライトで行けます。三千五百社の海外企業が香港に事業所を置き、二十五万人の従業員が働いています。  三つ目は、多くの展覧会があり、中国、アジアへの情報発信機能が極めて高いということであります。年間百を超える大きな展覧会が政府の主催で行われております。  四項目めは、良好なビジネス環境があるということであります。公用語は英語と中国語であります。整備されたインフラ、IT、空港、港湾があります。国際金融センターもございます。世界のベスト百の金融機関のうち上位八十五行がこの香港に進出をしております。  もう一つは、佐賀県との連携を積極的に推進するインベスト香港、先ほど申し上げましたが、香港特別行政区政府投資推進局の存在が非常に大きいと感じました。  また、ほかにも、質の高い労働力でありますとか、シンプルで安い税金でありますとか、もう一つ言いますと、中国の商慣習というのは日本とかなり違います。その中国大陸と商売をするときに、その両方のことを熟知した香港が間に入るということは、その後のビジネスをうまくやるためのリスクを極めて軽減できる、ローリスクといいますか、そういったメリットが非常に大きいというふうに感じております。  また、このAYO──アジアユースオーケストラ等で、佐賀県への非常に友好的な香港の思い入れといいますか、関係があるというふうに思ったところであります。  一方で、デメリットとしては、不動産コストといいますか、家賃がやや高いと、上海よりやや遠いというようなことが考えられました。  まず、今回、海外拠点の設置地域として香港と瀋陽を候補とした理由について、改めてお伺いしたいと存じます。  二点目は、拠点の設置形態と機能についてであります。  デメリットで今申し上げましたとおり、香港では不動産価格が非常に高く、拠点維持に高いコストが必要となります。その維持コストをうまく解決するためにも、まず、拠点にはどのような機能を持たせるのかということが重要になってくると思います。香港、瀋陽の海外拠点にどのような機能を持たせ、どのような設置形態をとる予定であるのかお伺いしたいと存じます。  三項目めの質問は、全羅南道(チョルラナムド)との今後の交流についてであります。  鹿島市は、全羅南道(チョルラナムド)高興(コフン)郡との間で平成九年から友好結縁を締結し、友好交流を続けております。これまで高興(コフン)郡から鹿島のガタリンピックへ毎年参加してもらっております。また、有明海でアゲマキが減少した際には、漁協の青年部が中心になりましたが、高興(コフン)郡からアゲマキの稚貝を輸入してきたりもしました。  私も、行政間の交流が始まる前から、民間交流の一員として交流を行ってきており、これまで何回も高興(コフン)郡を訪問したことがあります。  一九八八年だったと思います。鹿島市と全羅南道(チョルラナムド)高興(コフン)郡との交流が始まりました。昭和六十三年の話です。第四回鹿島ガタリンピックにさかのぼります。二十年を超えるおつき合いをしているわけであります。  当時、ガタリンピックに参加する外国人選手は、国内の留学生ばかりでした。最初は、ガタリンピックという、本物のオリンピックを標榜するならば、オリンピックのように世界じゅうから、海外から選手を迎えるイベントにしたいということもあって、参加をしていただくために、干潟のある国を調べようということで調査をしました。  当時、ある新聞社の方にお願いをして、韓国の扶余(プヨ)という古都にお住まいの著名な考古学者であられます、また司馬遼太郎先生と親交が大変深かったイ・セッコ先生、イ・イルウル先生という方の御紹介で高興(コフン)郡を知ったのであります。  そこに南陽面という村があって、そこへ我々の代表が行きました。びっくりしました。有明海と同じように干潟がありました。潟スキーがありました。そして、ムツゴロウがいました。アゲマキがおりました。同じような文化がそこにあったわけであります。  ただ、当時の韓国の情勢もありまして、日本から韓国へ来て、その田舎へ来て、海に近づく者はスパイと間違えられて、危うくつかまりそうになったとか、あるいは役所のほうに、当時の馬場市長の親書を持っていったけれども、役所の中に入れてもらえなかったとか、大変苦労をされましたが、何とか誠意が通じて、民間同士で交流が始まりました。  余談ではありますけれども、先般、鹿島市能古見南川の獅子舞が東京国立劇場の全国大会に招待をされて、九州代表として出場をしました。南川の獅子舞の面は偏平で、ぺたっとしております。これは大変珍しく、日本では佐賀県の南西部にしかないと言われています。  ところが、この同じようなぺたっとした獅子舞が韓国の高興(コフン)郡にもありました。非常に文化のつながりというのを感じたわけであります。多分、有明海のルートを通って、この文化が伝わってきたんではないかなということを連想させる出来事でありました。  このようなことがありましたが、こういった高興(コフン)郡との私たちの交流は大変深いものがあります。  また、一方で、唐津市は全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)市と昭和五十七年から友好交流を続けておられ、行政レベルでの相互訪問や職員の相互派遣、市民のホームステイなど、盛んに交流が行われていると聞いております。  このような中で、県においても韓国全羅南道(チョルラナムド)と十年以上にわたり職員の相互交流を行ってきた結果、佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)の双方において、友好交流協定を締結する機運が醸成されて、先月二十五日に全羅南道(チョルラナムド)の朴(パク)知事が佐賀県を訪問され、友好交流協定が締結されたところであります。私も友好交流協定締結記念レセプションに参加をさせていただき、全羅南道(チョルラナムド)の朴(パク)知事と親しく話をさせていただきました。この友好交流協定締結を単なる一過性のパフォーマンスに終わらせてはならないと思います。  県としては、この協定締結を契機に、大人から子供までさまざまな場面で、韓国全羅南道(チョルラナムド)とこれまで以上に深く交流できるように努めるべきであり、より多くの県民に、韓国全羅南道(チョルラナムド)に興味を持ってもらうよう取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、次の点についてお伺いしたいと思います。  一点目は、佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との交流推進についてであります。  ことし一月に、佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)は友好交流協定を締結しましたが、この協定締結を契機に、今後、佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との交流を県民のレベルにまで広く浸透させていく必要があると考えますが、全羅南道(チョルラナムド)との交流をどのように進めていくのかお伺いをします。  二点目は、鹿島市、唐津市と協力した交流推進についてであります。  先ほど説明をいたしましたように、以前から鹿島市は高興(コフン)郡と友好結縁締結を、唐津市は麗水(ヨス)市と姉妹都市を締結し、交流を行っておりますが、今後は、県も両市と協力して韓国全羅南道(チョルラナムド)との交流をさらに推進するべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いをいたします。  三点目は、今後の交流拡大についてであります。  友好交流協定の締結を契機に、今までの佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との行政間の交流だけではなく、今後は文化交流や観光、物産を初めとする経済交流などを拡大していく必要があると思いますが、今後どのようにこれらの交流を拡大していくのかお伺いをします。  四項目めは、有明海の再生についてであります。  知事の演告にもありましたように、昨年十二月に福岡高裁判決が確定したことにより、佐賀県にとって十年来の課題であった諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門の開門調査が実現することになったことは、歴史的な出来事であると私も考えております。  判決が確定したことにより、開門調査が行われることは間違いないと思いますが、現在の国と長崎県のやりとりを見ていますと、本当に開門調査が実現するのかと不安に思われる方もおられると思います。このことは、農業用水の確保や防災対策など、長崎県の懸念に対する具体的な方策が示されていないことが原因と考えているところであります。  また、開門調査で実際に開門された場合、干拓地の営農者や背後地の住民の方だけでなく、漁業者の中にも漁業に影響があるのではないかと不安を感じている方もおられます。  有明海の現状として、タイラギは昨年、大浦では貝柱重量で百十三トンとれて、十三年ぶりの豊漁となりました。ことしは、とれてはおりますが、水揚げ量は昨年の半分程度と、大変厳しい状況であります。昭和五十年代までは千トン以上とれた年もあり、そのような時代に戻すことが有明海の再生だと考えているところであります。  ここに、大変懐かしい写真があります。(パネルを示す)これは、昭和四十年代後半の写真だそうでありますが、この船の上に茶色にいっぱい乗っているのが、実はタイラギであります。いわゆる千トンぐらいとれていた時代のタイラギをとった船です。大変珍しい写真を漁業者の方からちょっとお借りをしました。  このような時代に、いわゆる戻すと、それが本当の有明海の再生ではないかと思うものであります。  一方、ノリも全体で見れば、近年、生産額は高いものの、地域別に見れば、西部、南部のノリ漁場では、ことしも珪藻プランクトンの増殖により、三年連続でノリの色落ち被害が起こっています。諫早湾干拓調整池からの排水と色落ちの被害との因果関係は明らかではありません。しかし、調整池の水が一度に大量排水されることで赤潮が発生し、色落ち被害につながったのではないかという漁業者の方の声も聞いているところであります。  以前にも大量排水のとき、県南西部地域に、今までと違って赤潮が南から北のほうに、陸沿いに蛇のように出現し、長期滞在をしたということがありました。このときの因果関係は明らかではありませんが、私はそのとき、県議会で知事に、李下に冠を正さずということわざもあると、疑わしきことをさせるべきではないと、以前には少量ずつ、あるいは三十万トン以下というふうになっていたと思いますが、排水を小まめにやるという確約も交わされていたではないかということを問いただしまして、知事もすぐ長崎のほうにそう伝えるという答弁をいただいたことがありました。  そこで、次の点についてお伺いしたいと思います。  一点目は、開門調査の実現に向けた取り組みについてであります。  佐賀県は、これまで開門調査の実現に向け、長崎県の懸念に対する対策として、国や長崎県に対してどのような提案をしてきたのか。また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをします。  二点目は、開門調査に対する漁業者の不安解消についてであります。  開門調査の実施に対する漁業者の不安を解消するためには、県はどのように取り組んでいくのかお伺いをします。  どうも、開門をすると漁業被害が出ると思われている方がたくさんいらっしゃいまして、これは長崎県がですね──ここに長崎新聞のコピーがありますけれども、ここにも出ていますが、(資料を示す)開門されれば、「周辺漁場へ甚大な影響を及ぼす」ということを中村知事が菅首相に出した公開質問状にも書いてあるわけですね。これは、不要に被害が出るよと脅かしているといいますか、そういうメッセージを送っているために、漁業者の方がそういうふうに思い込んでおられるのではないかと私は思います。  現時点だって、諫早から大量に排水がされているわけでありまして、一遍に全部あけると言っているわけじゃないわけですよね。そこのところを漁業者の方にも十分に御理解をいただく必要があるというふうに思っているところであります。  三点目は、小まめな排水の実施についてであります。  因果関係はわからなくとも、漁業者の方々に懸念を持たれないように、排水を小まめに行うよう、再度、国や長崎県に要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上、有明海の再生についてお伺いします。  最後、五項目めは、広域的な路線バスの維持についてであります。  車社会の到来が叫ばれて久しくなります。人口減少、少子化を反映して、県内の路線バスの利用者は年々減少をしております。県内の路線バスの約八割が赤字運行であると聞いております。  また、これまで路線バスの赤字を補てんしてきた貸し切りバス事業や高速バス事業でありますが、これも民主党の高速道路の無料化の影響というふうにバス事業者は言っておられますが、大幅な減収に追い込まれていると聞いております。バス事業者の経営状況は、ますます厳しさを増しております。  元来、地元路線のバス事業者は、都市部のバス事業者とは異なります。霞が関のお役人は、地方のこの実態を本当にわかって、バスの補助事業を組んでいるのかという気さえいたします。  都会のバス事業者は、他の収益事業をもって、それで補てんをしております。地方のバス路線のバス事業者は、自分たちのバス事業だけでそれをやっております。従来は貸し切りバスの収益で路線バスの赤字を補てんしていたという状況がありますが、今や貸し切りバスも大変厳しい状況になっているわけであります。  広域的な路線バスは、免許を持たない高齢者や児童生徒などの交通弱者の移動手段として重要な役割を果たしており、今後、高齢者人口の増加とともに、その役割はむしろ高まるものと思われます。このため、広域的な路線バスの運行を維持するために、県としても必要な支援を行うべきであると考えておるところであります。  そこで、次の点についてお伺いします。  一点目は、広域的な路線バスの運行費のカット額の補助についてであります。  国の補助制度では、乗車率が低い路線についての補助金がカットされ、そのカット額をバス事業者や沿線市町が補てんしている現状にあります。  県は、広域的な路線バスの運行を維持するため、カット額に対しても、沿線市町と協調して補助を行うべきではないかと思いますがいかがでしょうか。  二点目は、広域的な路線バスの車両購入に対する満額補助についてであります。  県はこれまで、バス事業者からの要望台数が多い場合には、予算額を要望台数で割り返した額を補てんするなどして、満額補助を行ってきていないと聞いております。  ユニバーサルデザイン実施計画の中で、ノンステップバスの導入を促進することとしている佐賀県としては、広域的な路線バスの車両購入費について、バス事業者からの要望台数すべてに応じて満額補助を行うべきだと思いますがいかがでしょうか。  これは、こういうことであります。佐賀県の平成二十三年度予算を見ますと、バスの補助金がちょうど五台分見てあります。これは、ずっと五台分見る予定になっているようであります。ところが、事業者からの要望は、平成二十三年は六台来ております。ということは、割り戻しをしますと、八三%しか補てんがされない、補助がされないわけであります。  もっと心配なのは平成二十四年であります。要望が十二台あるわけです。十二台ということは、四一・六%しか補てんをされないことになります。  さらに、平成二十五年、二十六年、二十七年には九台ずつの予定で来ております。バスは定期的に更新をしていくわけでありますので、その予定が来ているわけです。九台になると五五・五%しか補助はもらえない形になります。  一方で、ユニバーサルデザインの実施を進めながら、補助の制度がこういうふうに厳しいのであれば、今のバス事業者の状況からいうと、極めて厳しいと言わざるを得ないというふうに思います。  この補助制度は、国と県の協調で、県がつけないと、国はその台数に応じた補助をつけないわけですね。県が五台と言えば、国も五台なわけであります。  私は、同じ人の移動の足として、例はよくないかもしれませんが、例えば佐賀空港の関連のリムジンタクシーなどに多額の補助が振り込まれている現状を見ると、これはこれで必要なことなのかもしれません。わかっておりますが、感情的には何か釈然としないものがあります。毎日毎日通っている子供たちや高齢者という交通弱者の足を守れる補助制度に変えていかねばならないと私は思います。  先ほど言いましたように、地域主権の時代と言われているわけでありますから、都市型ではなくて、地方の実情がわかっている地域から提案をして、その地域の実態に合った補助制度にしていくべきではないかと思いますがいかがでしょうか。  以上、お伺いしまして私の質問を終わります。(拍手) 3 ◎古川知事 登壇=土井敏行議員の御質問にお答えします。  まず、二期八年間の総括についてのお尋ねでございます。  一期目の四年間は、佐賀県を時代に合ったものにしていきたい、さらには、かつて幕末期にそうであったように、時代に先んじた際立つ存在にしていきたい、そういう気持ちを持って、私自身が先頭に立って取り組んでまいりました。  「オープン」「現場」「県民協働」という三つのキーワードを掲げて新しい仕組みづくりに取り組んだ結果、例えば、福祉の分野では、障害者の働く場をふやしていくための特例子会社や福祉工場といった取り組み、また、高齢者の関係では、宅老所、ぬくもいホームといった、国のやり方にとらわれない、佐賀県としての福祉の形をつくっていくことに取り組みました。  また、教育の分野では、長らくこの議会でも議論が行われておりました少人数学級について、小学校低学年で少人数学級とチームティーチングを現場で選択をするという制度の導入をしてまいりました。  当時も厳しかった経済、雇用の分野では、積極的に企業誘致を進めるためのリース制度の導入などとあわせて、トライアル発注という新しい制度を設けるなどして、一万人雇用を達成することができました。  このほか、九州新幹線西九州ルート、プルサーマル、県立病院の移転など、県民の中で議論の分かれる課題や、食糧費問題、商工共済問題といった過去からの宿題にも正面から取り組み、与えられた条件の中で県民の一定の評価、歴史的な評価にたえ得る判断を行ってきたと私は考えております。  一方で、県内経済を底上げしていく、ユニバーサルデザインを進める、つくる農業から売れる農業への転換など、幾つかの部分はまだ道半ばであります。  こうした反省を踏まえて、「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」を実現したいという強い思いを持って、新しい四年間の任期に臨みました。  マニフェストに掲げた事項を含む、佐賀県として四年間で取り組むべきものを盛り込んだ「佐賀県総合計画二〇〇七」を策定し、その着実な実現に向けて取り組んでまいりましたが、その後、経済危機の発生という不測の事態が起きました。こうした事態への足元の対応を迫られておりますが、一方、緊急プログラムに沿った形で必要な財源を確保しながら、着実な推進に努めてきた結果、一定の成果を上げることができたと考えております。  中でも、この二期八年間の中で、有明海の再生については、県民を挙げての取り組みが実り、十年来の懸案でありました開門調査の実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができました。  このほか、九州新幹線鹿児島ルートがこの春開業することや、過日、西九州ルートが着工したこと、早稲田佐賀中学校・高校の開校、佐賀県のがん対策のシンボルとなる九州国際重粒子線がん治療センターの開設に向けた取り組みや、新しい県立病院の建設に向けた取り組み、二十二年産米が県産米として初めて食味ランキングで最高評価の特Aに認定された「さがびより」の生産と販売、我が国で初めてとなる国連公共サービス賞の受賞につながった県民協働の取り組みなど、各分野の政策について、着実に進めることができたものと考えております。  また一方で、反省すべき出来事として、牛肉の輸出に関する一連の問題がございました。この問題を教訓として、再発防止策の徹底と組織運営の質の向上に組織を挙げて取り組んでいるところでございます。  次に、マニフェストに対する考え方についてのお尋ねでございます。
     マニフェストは、県民との約束であると考えております。まずは実現に向けて最大限の努力をすべきでありますし、逆に、できないことは約束すべきでないとも考えております。  しかし、努力をするものの結果として実現できなくなる場合というものは、私は存在するだろうと考えております。また、どうしても変更しなければいけない事情が生じることも、またあり得ると考えております。マニフェストだから絶対に変更しないというものではなく、説明責任を果たした上であれば、見直すことも否定されるものではないと考えております。  マニフェストの意義は、約束が実際の政策となって、その結果が評価されていくというサイクルができることであろうと考えておりますし、そのことを通じて、県政に対して県民の関心が高まることがマニフェストの最大の目標とも言えることではなかろうかと考えております。  その意味で、この八年間の間に、県の政策に対する県民の関心がいろんな意味で高まってきていることは、よかったことではないかと考えているところでございます。  次に、次期への思いについてというお尋ねでございます。  次の四年間の県政のかじ取りの機会が与えられるならばということでございますが、まずは足元の経済、雇用を上向かせていくこと、これを引き続きまず第一に取り組んでいきたいと考えております。  足元の経済、雇用を上向かせていくということ、その上で、これまで手がけてきたものについて花を咲かせていきたいということが一つございます。そしてまた、新しい時代に向けて必要な、特に人材育成、教育、こうしたものに、これまで以上に力を入れてまいりたいと思っております。  また、佐賀県の持つすばらしい魅力や産物、こうしたものについて、もっともっと情報発信をしていきたいとも考えておりまして、こうしたことを、私はぜひ次の期に力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  次に、海外拠点についてのお尋ねでございます。  まず、香港と瀋陽を候補とした理由についてのお尋ねでございます。  香港については、議員からも御指摘がありましたように、県議会の議員団の方が香港に御視察に行かれ、具体的に香港というものについていろんな調査をされた報告書を、私ども県としても勉強をさせていただいております。その上で、香港についての魅力というものを改めて感じたところでございまして、そうしたこともありまして、私どもとしても香港というものについては非常に可能性のある地域だと判断をしたところでございます。  その報告書にもございましたように、所得水準が高い、ここは人口一人当たりの所得水準にしますと、日本よりも高いのではないかと思います。(131頁で訂正)また、中国本土に比べて、関税障壁や検疫障壁が少ないという点がございます。例えば、先ほど議員からは佐賀牛というお話がございましたが、中国本土にはまだ佐賀牛は輸出できておりませんが、香港では佐賀牛がナンバーワンブランドになっているというふうなところもございます。  また、香港の背後には、富裕層が多い広州やシンセンといった大都市を抱える広東省がございます。事実、香港と中国というのは、非常に大きな貿易の輸出入を実現しているところでもございまして、ある意味、仮に中国の本土で何かがあったときにも、香港をゲートウエーするところでリスクヘッジになるという部分はあろうかと思っておりまして、その意味でも、非常に可能性がある地域だと考えているところでございます。  また、佐賀県はあちこちの地域を立地の候補地として、職員を派遣するなどして検討を進めてまいりましたが、この間、香港政府から非常に熱心な誘致も受けております。  この中国、グレーターチャイナと申しますか、広い意味での中国地域に事務所を持つ場合には、こうした現地の政府とうまくやっていけるのかということが、必要な要素であると私は考えておりまして、その意味でも香港というのは、地元政府も非常に熱心であるということも、いい要素だと考えております。  一方で、瀋陽につきましては、東北三省という、これから発展が見込まれる地域の中心都市であるということが候補地にした理由でございます。  瀋陽は、遼寧省の省都でありますし、遼寧省と我が県は長く友好関係にございますが、この遼寧省の政府からもかなり熱心に、ぜひ我が遼寧省に、特に瀋陽にということでお誘いを受けております。  遼寧省は、非常に大きな町でありながら、現時点においては、日本の自治体の事務所の開設はございません。日本の民間企業においては、この瀋陽の将来性を見込んで、既に進出したところが幾つかございますが、自治体ベースではまだないということもあって、政府として非常に熱心にお取り組みをいただいているところでございます。  私どもが客観的に判断するに際しても、この東北三省というものが、中国政府としてもこれから力を入れていく地域であるということの確認がとれてもおりますし、現時点における消費や人の流れ、そういったものを考えても、非常に可能性のある地域ではなかろうかと思っているところでございまして、現時点では、華南の香港や広東省、そして今、華中の上海などの沿岸部の各都市が中国の発展の象徴となっておりますけれども、東北部の内陸の瀋陽が、まさにこれからの市場として、じっくりと腰を据えて取り組むべきところではないかと考え、今回、候補地にしているところでございます。  次に、全羅南道(チョルラナムド)との今後の交流について、私に三つお尋ねがございました。  一つが、韓国全羅南道(チョルラナムド)との交流をどのように進めていくのかというお尋ねでございます。  まずは、平成二十五年四月に全羅南道(チョルラナムド)の順天(スンチョン)市で開催されます「二〇一三順天(スンチョン)湾国際庭園博覧会」という博覧会がございますが、これに日本代表として佐賀県が出展をいたしまして、佐賀県、そして日本の文化を伝えて、交流拡大を図りたいと考えております。  この佐賀県の庭園は、博覧会が終わった後も、順天(スンチョン)市管理のもとに永久的に保存されることになっておりまして、佐賀県の情報発信基地として、継続的に全羅南道(チョルラナムド)の人に佐賀県をアピールすることができると考えております。  また、市町のレベルでは、唐津市と麗水(ヨス)市、鹿島市と高興(コフン)郡で友好交流が行われておりますが、県内の二十の市町の中には、まだ韓国の地域と交流を行っていないところもたくさんございます。  また、韓国のこの全羅南道(チョルラナムド)とゆかりのあるところもございます。例えば、神埼市には王仁神社という神社がございまして、王仁博士は全羅南道(チョルラナムド)の御出身でございます。こうした御縁をもっと太いものにしていきたいと神埼の市長さんもおっしゃっているところでございますし、そういう交流を深めたいという市町に対して呼びかけをしていきたいと考えております。  こうした呼びかけを行いましたところ、既に武雄市からは、ぜひ全羅南道(チョルラナムド)のどこかの自治体と交流を進めていきたいということでオファーをいただいているところでございまして、現在、事務的に調整をしているところでございます。  こうした市町レベルでの交流の拡大をまずもって支援していきたい、拡大を支援していきたいと考えております。  また、県民レベルでの交流についても、韓国との交流、海外との交流を考える際には、まず全羅南道(チョルラナムド)を考えていただきたいということをいろんな機会に伝えていきたいと考えております。そして、新たな交流を希望する県民、学校、民間団体、こうしたところから、県民レベルでの交流が促進されるように努めていきたいと考えております。  また、若干ダブりますが、既に交流を長い間続けている鹿島市、唐津市と協力した交流を推進していくべきではないかと思うがどうかというお尋ねでございます。  議員からもございましたように、鹿島市、唐津市には長い間の交流の中で培ったノウハウやネットワークがございます。こうしたものをぜひとも生かしていきたいと私どもも考えておりまして、県としても、これらの市と協力して、佐賀県全体と全羅南道(チョルラナムド)全体との交流がさらに推進されるように努めていきたいと考えております。  また、どのような分野において、これから広げていくのかというお尋ねでございますが、今回の協定の締結によりまして、これまでの交流に加えて、産業や環境、医療、文化、教育、スポーツといった多様な分野における、そして、市町、県民レベルという多様なレベルでの交流の拡大を期待しているところでございます。  ことし一月の友好交流協定締結式におきまして、全羅南道(チョルラナムド)のパクジュンヨン知事は、青少年が海外に行ったり、学校の修学旅行で海外を訪れたりすることが最近非常にふえている。そういった機会に、ぜひ佐賀県を訪問地として宣伝するなど働きかけを行っていきたいと発言されております。  このような青少年交流や観光交流なども含めまして、多様な分野での交流の実現に向けてどのようなことができるのか、これから全羅南道(チョルラナムド)と協議を行っていきたいと考えております。  私から最後でございますが、有明海の再生についてのお尋ねでございます。  佐賀県としては、長崎県などが懸念されている農業用水の確保や背後地の防災の問題などについても万全の対策を講じることによりまして、営農と防災、漁業が並び立つような開門調査の実施をさまざまな場面で提案してきております。  例えば、平成二十一年十二月の長崎県知事との会談や、平成二十二年三月の諫早湾干拓事業検討委員会の場などにおきまして、例えば、湛水被害への懸念に対しては、排水ポンプ場を整備することで解決できるのではないかと申し上げ、高潮対策への懸念に対しては、高潮は事前に予測が可能であることから、前もって門を閉じれば被害は防げるのではないかということを申し上げ、また、農業用水が確保できなくなるという懸念に対しては、白石平野の干拓地などで実績のある、ため池の設置による対応は考えられないのか、こうしたことなどの提案を具体的に行ってきております。  また、先日行われました諫早市長と長崎県知事から菅総理あての公開質問状に対する菅総理からのお答えにおきましても、こうした懸念に対しては一つ一つ丁寧に対応をしていくというお答えがあったと理解をしているところでございまして、私からすると、こうした官邸側、そして私どもの思いというものをぜひ長崎県としても受けとめていただきたいと思っているところでございます。  一方で、現在、国において環境アセスが進められております。ことしの五月には環境アセスメントのいわゆる準備書案が取りまとめられることになっております。  この準備書案におきましては、通常の評価項目であります水環境や土壌の環境に加えまして、今回の開門調査の特殊性というものにかんがみまして、漁業生産、農業生産、背後地防災も評価項目としております。これらの評価項目の一つ一つについて、環境調査、影響の予測評価が行われ、影響があると認められる項目については、その影響の回避等を行うための環境保全措置が記載されることになっております。  県としては、この環境アセスメント準備書案におきまして、長崎県が懸念されている事柄についても、その環境への影響などが適切に評価されているか、また、その影響を回避するための対策が現実的かつ早期に実施可能なものであるかといった観点から、必要な意見を述べた上で、開門調査の早期実施を求めてまいりたいと存じます。  また、農業用水や背後地の防災対策については、影響が確実に予測されますので、早急に必要な措置が講じられるよう強く国に求めてまいりたいと存じます。  前々から申し上げておりますように、私どもとしては、農業、防災、漁業が並び立つ形での開門調査、そして、有明海再生の早期実現に向けて、当事者の一人として、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  なお、先ほど、香港に関する私の答弁のうち、一人当たりGDPが香港は日本より大きいのではないかと思うと申し上げましたが、二〇〇八年の数字で申し上げますと、我が国が米ドルで三万八千ドルであるのに対しまして、香港は三万一千ドルでございました。我が国のほうが大きくなっております。おわび申し上げまして、修正させていただきます。  私からは以上でございます。 4 ◎古谷くらし環境本部長 登壇=私のほうからは、有明海の再生について二点お答えをいたします。  まず、開門調査に対する漁業者の不安解消についてでございます。  議員御指摘のとおり、漁業者の中にも、開門調査を実施することによって調整池の水が流れてきて、漁業に影響を与えるのではないかと、そういった不安を感じている方もいらっしゃるというふうに伺っております。  県といたしましては、開門調査については、当然のことながら、漁業に対しても影響があってはならないというふうに考えております。現在、国が進めております環境アセスメントの準備書の中では、漁業への影響についても評価がなされるということでございまして、そうした内容につきまして、佐賀県としても漁業への影響について十分な配慮がなされますように、県として必要な意見をしっかり述べてまいりたいというふうに考えております。  また、この準備書の内容などにつきましては、漁業へ具体的にどのような影響があるのかどうか、また、あるとした場合に、それを回避するための環境保全措置などがどのようなものかについて、漁業者に対して十分な説明を行い、漁業者の不安解消に努めていただくように国に対しても求めてまいりたいと存じます。  続きまして、小まめな排水の実施についてでございます。  平成二十一年に西南部地区を中心にノリの色落ちが発生した際に、漁業者の方々から、諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門からの排水をもっと小まめにできないかという声が寄せられてございます。  これを受けまして、国及び長崎県、佐賀県、有明海漁協の間で協議を行いまして、佐賀県、また有明海漁協からは、小まめな排水など、ノリ養殖に配慮した排水を行うよう要請をしたところでございます。  その結果、ノリ漁期におきます北部排水門からの排水につきましては、一回の平均排水量が、協議前の二十年度は百七十五万トンでございましたものが、二十一年度は百十三万トン、今年度は、二月の十二日時点まででございますけれども、百二万トンというふうになるなど、排水量が少なくなってはおります。  しかしながら、有明海漁協からは、以前に比べると、小まめな排水が実践されていると感じているけれども、もっと小まめな排水が望ましいという意向も伺っているところでございます。  そうした中で、ことしの一月二十日に百四十三万トン、それから二月の二日に百三十五万トンという排水が行われております。これにつきまして、早速、九州農政局に確認をいたしましたところ、北部排水門の定期検査を行ったために、やむを得ない量の排水だったということでございましたけれども、県といたしましては、この排水門の定期点検について、なるべくノリ漁期を外して行っていただくということも含めまして、より小まめな排水について、今後、九州農政局などと協議をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、県としては、今後とも有明海漁協と連携をとりながら、さらなる小まめな排水が実践されるように取り組んでまいります。  以上、お答えをさせていただきます。 5 ◎黒岩経営支援本部長 登壇=私のほうからは、海外拠点についての質問のうち、拠点の設置形態と機能についてお答えいたします。  まず、拠点の機能についてでございますが、香港につきましては、先ほど議員からもお話がありました香港視察報告にもございましたが、所得水準が高いということ、それから、中国本土に比べ関税や検疫の障壁が低いということ、また、中国本土から多くの富裕層が香港を訪れているということ、そういった特徴を生かしまして、市場をさらに拡大するということに主眼を置きまして、県産品の輸出や観光客誘致などを中心に活動していくことを考えているところでございます。  それから、瀋陽につきましては、東北三省の中心都市として大きな経済的発展が見込まれておりまして、また、本県と長く友好交流関係を築いているといった強みがございます。これからの市場を開拓するといったことに主眼を置きまして、取引先の拡大や観光客の誘致、人的交流の促進など、幅広い分野で活動していくことを考えているところでございます。  次に、拠点の設置形態についてでございますが、今回は有力な候補地として香港、瀋陽を表明させていただいたところであり、具体的には今後、検討していくことになろうかと思います。  議員御指摘のとおり、香港の場合には、不動産価格が非常に高いことも一つの課題として挙げられるかと思います。  既に香港に進出しております自治体事務所を見てみますと、例えば、単独事務所を設置している自治体もあれば、ジェトロなど他機関に共同事務所として入っている自治体もあるなど、さまざまな形態がとられております。  具体的な設置形態につきましては、今議会での議論を踏まえた上で、拠点の機能を十分に発揮できることを前提に、今後、進出先の政府や関係機関などとも協議しながら調整していきたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 6 ◎小野交通政策部長 登壇=私からは広域的な路線バスの維持について、二点お答えいたします。  まず、運行費のカット額の補助についてでございます。  広域的な路線バスは、地域住民、とりわけ高齢者や児童などの交通弱者にとって、最も身近な公共交通機関として重要な役割を果たしておりまして、県といたしましても、複数市町にまたがり、延長が十キロメートル以上の要件を満たすといった広域的な、また幹線的な生活交通路線につきまして、国と協調して補助を行っているところでございます。  議員御指摘がございましたように、国の補助制度におきましては、平均乗車密度が五人未満の生活交通路線につきましては、五人を下回る割合に応じて補助金のカットがなされております。  県といたしましては、生活交通路線を維持していくためには、国の補助制度を活用して支援を行っていきたいと考えているところでございますけれども、近年、補助金のカット額につきまして、バス事業者の負担や沿線市町の負担が増加傾向にあるということは認識しているところでございます。  このために、国に対しまして、繰り返し地域の実情に合った補助制度への見直しをしていただくように政策提案を行ってきているところでございまして、今後も引き続き、国へ制度の見直しにつきまして、働きかけを行っていきたいと考えております。  また、生活交通路線を将来的にも維持していくためには、まず、県民の方々に少しでも多く利用していただくということも大切だと考えておりまして、バス事業者や市町と協力しながらPRに努めるなど、県民の利用促進に取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、車両購入費補助に対する満額補助についてでございます。  県では、だれでもが利用しやすいユニバーサルデザインのまちづくりを推進しておりまして、日常生活に必要な移動手段でありますバスにつきましても、車両のバリアフリー化に取り組んでおります。  このため、国の生活交通路線車両減価償却費等補助制度を活用して、バス事業者がノンステップバス等の低床型バス車両を購入する場合に、国と協調して補助を行っております。  バス事業者におかれましては、老朽車両の更新時期に合わせて低床型バス車両の導入が行われておりまして、これまでも年度によりましてバス事業者の要望台数にばらつきがございまして、要望台数が多い年度には満額補助ができないというケースも生じてきているのは事実でございます。  県といたしましては、今後、バス事業者と協力いたしまして、導入年度を事前に調整して平準化するなどしながら、車両購入費補助に関する予算を安定的に確保していくよう努めていきたいと考えております。  また、国に対しましても、補助制度の見直しなどについて、改めてまた働きかけていきたいというふうに考えております。  以上、お答えいたします。 7 ◎宮崎泰茂君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。私は五点について通告をいたしております。  まず第一点目は、古川知事二期目の総括についてということで、今、前任者もいろいろ質問されましたが、答弁を聞いていますと、何か古川知事の手柄話ばっかりこの議場に響いているような感がしてなりませんよね、知事さん、どうですか。  例えば、学校で三十五人学級とか、チームティーチングをやったとか、これは確かに実施をされたのは古川知事です。しかし、それまでに至った経緯というものをきちっとしていかなくちゃいかんと私は思いますね。これは長い間、佐賀県のお父さんやお母さん、あるいは教育関係者、県民が長い間運動を続けた結果実現したものであると、そういうふうに我々は理解をしておるわけですね。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)  それから、一万人雇用創出の問題であります。  確かに、景気対策の一環として一万人雇用創出事業というものがされました。しかし、中身は半年間の雇用契約や、最長で一年間の雇用計画に終わっている。その一万人の雇用計画で、その人たちが永久的に就職ができたというのは、ほんのわずかだというふうに私は思うんですね。  ここで一つの例としまして、唐津市内に在住する四十歳の男性の方が、ある自動車部品工場に勤めていらっしゃるわけです。この方は家庭的に奥さんもあり、子供さんも二人持っていらっしゃる。十年間、派遣職員としてその工場に勤められた。そしてその方は、いつかは、あすには正職員になろうという、そういう努力をもって十年間勤められた。ところが、ある日突然、紙切れ一枚、あなたは二月二十八日で解雇いたします、こういうことがまかり通っているんですね。そのところを知事以下ここに並んでおるあなたたちは、実態をどのように把握してやっているのかということを私は言いたいんですよ。その辺をどういうふうにあなた方は、知事は見ているんですか。  そういう問題をきちっとやってもらって、一万人雇用創出をやったというふうに言ってもらいたい。ただ、上辺だけやってもらっても困ります。そのことを私はきちっと言います。知事の見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。  それから、知事が二期目に当選されたときに、一期目を反省されまして、一期目はトップダウンをして行政運営に非常に支障を来した。だから、二期目はそのことを反省して、行政運営のあり方について見直しをやっていくということを、この県議会で表明されました。  私も一般質問の中でこの問題を取り上げて、知事をただしてまいったわけであります。そのときに知事はどういうふうに答弁されたかといいますと、こういうふうに言われております。  「議員も御指摘の佐賀牛の未検疫問題などにおいて出てきたところでございまして、現在はこうした議会での厳しい御指摘も受けて、トップダウンではなく、組織としてきちんと県民のために仕事をしていくこと、また、正しいことはしっかりと議論できる俎上をつくっていくこと、そうしたことに取り組んでいるところでございます。引き続きこのことについては取り組みを続けていって、佐賀県庁という組織全体が元気になっていくように私自身が取り組んでいかなければならないと、改めて感じているところでございます。」と、こういうふうに述べられておりますが、本当にそのようになっているんですか。なっているかどうかの知事の見解をひとつお示し願いたいと思います。  それから、私はここに一月六日の新聞の切り抜きを持ってきております。これはどういう内容の問題かというと、県庁で職員が転落死、これもう皆さん御承知のとおりですね。四十六歳の県庁職員が八階のベランダから転落をし、死亡されたと。  この問題はいろんな話が出ておりますが、私が聞くところによりますと、大方の意見がこの男性は自殺をされたというふうにささやかれております。  じゃあ、この職員の自殺は一体何が原因だったのか。一つは、私は今申し上げました佐賀県行政の運営のあり方に非常に問題があったんじゃないか、そういう運営上の問題が職員を追い詰めて、死に追いやらせるような結果になったのではないかというふうに私は認識をするんですけれども、知事はどのように認識を持っていらっしゃるのか、ひとつお示し願いたいと思います。  それから、今、職員の間でささやかれておるのは、県庁職員の定年前の早期退職者が急増しておるということがささやかれております。これは一体どこに問題があるのか。それは家庭の事情で早期退職されることもあるでしょうけれども、そうでない理由も聞かされておるものであります。その辺について、知事はどのような認識を持って、そういうものがあるのかどうか、ひとつ御意見をいただきたいと思います。  それからもう一点は、平成十九年の後半から今年度末まで、行財政緊プロで県庁職員が八千五百人が八千二百人、三百人削減されてまいりました。このことが末端の現場でどのような影響が出ておるというふうに認識を持っていらっしゃるのか。  一つの例として、九月議会で早々と来年度への明許繰り越しの実施が表明されてまいりましたね。この金額が全体で四百五億円程度繰り越されております。そして、そのうちの二百五十二億円が公共事業の繰り越しであります。そして、さらに当初予算で緊急の総合経済対策が肉づけされております。  今、一つの例として取り上げていくこととしまして、公共事業の繰り越しがなぜこんなに多いんですかと聞くと、用地買収ができなかった、そういう大きな理由が執行部から返ってきます。確かにそうでしょう。  しかし、用地買収ができないというのは、今、各土木事務所の用地課の職員がどのくらいいらっしゃいますか。技術職員がどのくらいいらっしゃいますか。ほとんど削減されて、設計すら委託をせにゃいかんような状態に追い込まれておる。用地課の職員が少ないために、なかなか思うように事が運ばんわけですね。  しかも、用地買収は相手がおること。昼間行っても働きに行っててなかなか会えない。そういうことですから、夜間に相当集中してくる。そういう問題が、なかなか事が思うように進んでいないというのが実態ですよ。  そういうものが古川県政の二期目の大きな総括になるんじゃなかろうかというふうに私は思います。その辺について、ひとつ知事の見解をお示し願いたいと思います。  それから次に、二点目の国政の政情と県予算の執行問題であります。
     今、民主党政権の菅内閣は窮地に追い込まれておりますでしょう。これは私、けさの新聞を破って持ってきたんですけどね、「社民が『反対』決定」というふうに大きくここに出されておりますね。  どういうことかというと、平成二十三年度の九十二兆四千億円の予算は、これは衆議院で多数決で可決されるでしょう。そして、三十日を経過すれば自然成立をするでしょう。この予算は成立するけれども、これに伴う関連法案が通らないような情勢になってきておる。  社民党が反対決定ということを打ち出したのは、これは「赤字国債発行を認める公債発行特例法案と税制改正法案に反対する方針を決定。」となっていますね。  そして、公明党の山口代表は「首相退陣と引き換えに予算関連法案に賛成する考えはない。統一地方選後にも態度を変えない」ということを明言されております。自民党は当然反対だということであります。  そうなってまいりますと、予算は可決したけれども、関連法案は衆議院で可決をして参議院に送られて、参議院で反対すれば、衆議院に差し戻しをして、三分の二以上の賛成で可決をしなくちゃならないという規定があるわけですね。今の状態では、民主党内部からも十六名の造反が出てきておる。これはもう成立を見るどころか、恐らく難しいということになっていく。  年度内に関連法案が通らないとなりますと、来年度の予算九十二兆四千億円の歳入の四〇%を占める赤字国債発行ができなくなる。そういう見通しがほぼ決まりつつあると言っても過言ではないと思うんですね。  だから、菅内閣が続投すれば、四月以降は三カ月間の暫定予算を組んで、六月まで乗り切って何とかしようという、そういう政治運営をたくらんでおられるようでございますが、果たしてそういうものになるだろうか。  これは、あくまでも想定の段階ですけれども、関連法案が通らん、暫定予算を組まなくちゃいかんという形になるならば、菅内閣の総辞職につながっていく。そして、菅内閣にかわる内閣が組閣されても、これは恐らく選挙管理内閣にすぎないような形になって、結局は、四月の段階で解散総選挙に追い込まれていくんじゃなかろうかという、そういう政情不安な今日、そういうものが佐賀県の予算執行に一体どのように影響するのか。  この質問をする中で、財務課長と相当突っ込んだ話をしましたら、三カ月間ぐらいはいろんな財源のやりくりで、あるいは借り入れでやれるけれども、六月以降にずれ込んだ場合は、相当財政運営が厳しい状況に追い込まれる。これはもうだれが考えても言えることですね。そういうものを古川知事はどのように見られておるのか、そして、どのように対応されようとしているのか。  きのうも自民党の議員さんが、古川知事は民主党にスタンスを置き過ぎじゃないかという話があったですね。今、そういう問題の中で古川知事はどのような認識を持っていらっしゃるのか、その辺について御見解をお伺いしておきたいというふうに思っております。  それから次が、環太平洋パートナーシップ──TPPの問題であります。これはもう多くの皆さん方から質問が出されましたので、私は端的に言います。  菅内閣がこの環太平洋パートナーシップ協定に参加するかしないかという問題を六月末までに態度表明をし、そして、ことしの秋ごろにきちっと決定するという表明をされております。  今、この問題について菅総理は経済四団体、あるいは連合と協議をされております。経済界はもちろんパートナーシップに賛成です。連合もそういう方向で意見が出されておるというふうに報道されておりますね。そういう方向で菅内閣も今、二国間交渉でオーストラリアと詰めた話をされている。  片方じゃそういうものが先行していく中で、今の民主党内閣では日本の食料自給率四〇%のこの問題を五〇%に引き上げていく、こういうものが打ち出されておる。じゃあ、どのような形で四〇%を五〇%に引き上げていくのか。それが具体的に示されておらないのが菅内閣の農業施策でありますね。  その問題がどういうふうになっていくのかというのが一点と、もう一点は、本当に食料自給率を四〇%から五〇%に上げようとするならば、農業の基本施策というものを国民の前に明らかにし、そして多くの論議を呼んで、これならいけるという施策というものをやっていかなきゃいかん。  けさの新聞にも戸別補償の問題が出されておりました。一万五千百円補償します、こうなっておる。この裏づけとなる財源はいつまで続くんですか。これすら不透明な状況なんですよ。このような問題を明らかにし、そして方向性を出して、これならいけるぞという自信のあるところを国民の前に明らかにして、そして論議をしていく、そういう結論の上に立って、パートナーシップをどうするかという国民のコンセンサスを求めていく責任があると私は思いますけれども、そのことについて知事の見解をひとつお聞きしておきたいと思います。  それから次に、社会福祉法と県の対応の問題であります。  知事、私、この前から二回一般質問でやりましたですね。これは一つは社会福祉法人祥楓会の問題ですね。  このピンクで示しているのは、平成十八年から今日までの監査をやられた。神埼署に告発された分ね。(資料を示す)ところが、この以前の問題は全然監査されていないんです。だから、この社会福祉法に基づいて、社会福祉法第五十七条、「公益事業又は収益事業の停止」の問題ね、これは公益事業以外の目的にそういう経費を使ってはならないということを禁止した条項であります。  それから、第五十九条、「所轄庁への届出」、これは「社会福祉法人は、毎会計年度終了後三月以内に、事業の概要その他の厚生労働省令で定める事項を、所轄庁に届け出なければならない。」という義務がつけられている。これは決算も同じであります。  知事、この祥楓会は平成九年の七月十日に設立認可を受けられております。この設立のときの法人の資産は一億七十二万六千円あったんですね。ところが、平成十年の三月、いわゆる平成九年度末に、この一億ちょっとあった資産から四千九百万円が引き出されておる。そして、新しい理事長にかわられたのが平成十年の九月二十三日。平成九年度の事業概要、決算報告が所管庁である佐賀県にきちっと提出をされて、その決算書を佐賀県がきちっと精査をしておれば、いわゆるこの当時、老健施設は建設することができないということが明らかになると思うんですね。  なぜならば、一億円の資産は土地を買うお金、これは補助の対象外であります。建物に対する国庫補助、県の補助、そして自己資金と合わせてやる。そういうものをにらんだ資産が一億円だという試算で、それに基づいて佐賀県が社会福祉法人として認可をしたものですね。  それが一年もたたないうちに約五千万円も引き出された場合、土地は買えるけれども、建物の自己資金が足りないということは一目瞭然ですね。その監査もしないで引き継がれていったという問題、これは明らかに佐賀県のミスだと言わざるを得ないわけですね。  私はこの問題について一般質問を二回しましたけれども、そのことについては捜査段階なので答弁できませんと、こうなんです。捜査しているのは平成十八年で、イコール監査のところが告発されたんでしょう。私はそのことは非常に佐賀県のミスだと思いますが、その辺について、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。  それから次が、重粒子線がん治療施設の問題であります。  私は、この問題も再三再四、本会議で一般質問してまいっております。知事は今議会の提案事項説明要旨、いわゆる演告の中でこのように述べられております。  「本プロジェクトを中心となって推進している県といたしましては、『九州重粒子線施設管理株式会社』及び『公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団』との緊密な連携のもと、経済界、医療界、大学など各界各層の御支援、御協力をいただきながら、センター開設に向けた取り組みを着実に進めてまいります。」。この文面だけ見ると佐賀県が主体でつくっているような受けとめ方ができるんですよ。  この重粒子線がん治療施設につきましては、工事の発注がなされたということが新聞等で報道されておりました。建屋の工事が平成二十三年の二月十五日に発注されたというふうになっております。それから、治療装置の契約については、平成二十二年の九月一日に契約したというふうになっております。  私が一番危惧をするのは、あなた方が我々に対して、佐賀県が二十億円の補助を出すと同時に、百三十億円を民間から寄附で賄うという方針の、この寄附の状態がどのようになっておるのか、また、どのように使われているのかということを知るために、建屋の請負契約の写しと、もう一つは、今申し上げました治療装置の請負契約のコピーを資料として提出をしてくれと私は申しました。できないという回答です。  なぜできないかというと、建屋は民民の契約だからできませんとかなんとか。治療装置、これは非公開の理由としてこういうふうに挙げられております。国内でも数少ない重粒子線がん治療装置の契約であり、受注者側にとっては今後の事業活動に大きな支障が出るおそれがあること、また発注者側としても契約の相手方との信頼関係を損なう懸念があることから、契約書を公表することは差し控えたいとの意向である。  とんでもない話ですよ。そういうところに何で二十億円も金出すんですか。何で十一人の職員も配置するんですか。何で県が民間の寄附集めに走り回るんですか。どこを向いて行政をやっているんですか。  古川知事は、二期目四年間の反省の中で、相当いいことをやりましたって、いいとこばっかり言われておりますけど、中身はこういうことをやられているんですよ。  なぜ公表されないだろうかということを私なりに考えました。建屋の契約は幾らか全くわかりません。治療装置の契約金額については、県から二十億円もらうから金額だけを教えましょうと、こうなんです。全くばかげておる。契約金額が七十四億五千万円ですよ。  ところが、この契約での支払い状況は皆さんどういうふうになっているかわかっていらっしゃいますか。これは平成二十二年度から平成三十年度までの長期の延べ払いになっております。平成二十二年度の当初に五億円、二十三年度に五億円、平成二十四年度、これはこのときに立ち上がらんと、二十五年の春には開業されないから、二十六億五千万円。そして、平成二十五年度が二十八億円、そして、平成二十六年度から三十年度、これは毎年二億円を支払う。合計の七十四億五千万円。これで見ますと、開業までにトータルで三十六億五千万円が支払われる。これは七十四億五千万円の半分ですよ。これしか払わないというふうになっております。  では、建屋はどうか。恐らく建屋もそうだろうというふうに思います。その根拠は、これはことしの平成二十三年一月二十八日現在の資料ですけれども、寄附が確定しておるのが四十六億六百万円であり、実際に入金されているのが三億五千万円であります。出資が、確定が十一億二千六百万円であります。この入金は十一億二千六百万円丸々入っております。県の補助金が二十億円であります。入金済みが平成二十二年度の補助金として六億円であります。合計で、確定額が七十七億三千二百万円、入金済みが二十億七千六百万円となっております。  こういう状況であるから、請負金額の延べ払いをしなくちゃならないようになってきておるんですね。だから、建屋の請負契約は公表されないという、そういうやり方でやっていこうと、そんな不透明なやり方で、何で我々がそういう問題を認定することができますか。私はできないと思うんですよ。  そして最後に、寄附金が集まらないから、「県職員の皆様へ」という、こういう文書が全職員に配布されているんですよ。  どういうことかというと、四つあります。一つは、「『サガハイマット』を知っていただきたい」、二つ目に、「セミナーや講演会に参加していただきたい」、これまではいいでしょう。ところが三つ目に、「残余金の寄附や香典返しによる寄附を紹介していただきたい」、これがあっているのよ、三つ目に。そして四つ目に、「あなた自身からの寄附をお願いしたい」。  どこがやっているかというと、公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団と佐賀県健康福祉本部粒子線治療普及グループという連名で流されているんですよ。  このことは、当初の計画がずさんであったという、そういう指摘をしなくちゃならないもんでしょう。古川知事が二期目最大の重点課題としてマニフェストに掲げられた重粒子線がん治療施設建設問題。「寄附は絶対集まります」と再三再四答弁されてきました。そうじゃない、厳しいんじゃないかということを我々は指摘しましたけれども、それを押し切ってやられた。  だから、この前の議会で古川知事は、今までの長い慣例、いわゆる来年度に改選期が控えている場合は、常識として、現在の知事が来年度に改選期をまたがる債務負担行為はやらないというのが本来の姿勢であった。  にもかかわらず、平成二十二年に六億円の補助。平成二十三年六億円、平成二十四年八億円、合わせて十四億円の債務負担行為をした。これはそれだけの裏づけ保証をしなくちゃ建設契約ができない、治療装置の契約ができないということがあったために、そういうものがなされたというふうに理解をしております。私はそう思いますが、知事の見解をひとつお聞きして、一回目の質問を終わります。(拍手) 8 ◎古川知事 登壇=宮崎泰茂議員の御質問にお答えします。  まず最初に、二期目の総括ということで幾つかお尋ねをいただきました。  その中で、まず最初に言及されたのが、少人数学級の実現について、これは長い間の県民の運動の成果であるというお話がございました。無論私はそのことを否定するつもりはございません。このことについてたびたびと長年にわたって、この場でも、また、県民からの多くの署名も集まっていたことを私も承知しております。  しかしながら、十四年度まではこの少人数学級を実施するという判断は執行部においてなされておりませんでした。平成十五年度に私が出た知事選挙において、何人かの候補者はこれを実行すると書いておられましたけれども、それを書いておられない候補者の方もいらっしゃいました。  私はマニフェストという形でこれをやるんだということをお約束をし、それを議会にお諮りして実行したというものでございまして、無論私だけがやったということではございませんけれども、やるかやらないかについては、政治的な判断で行ったということは私は自負をしているところでございます。  それと、一万人雇用について、今、宮崎県議から具体的な事例などがあり、まだまだ十分ではないということについての御指摘もございました。もちろん、私どもも実際の雇用の状態というものについては、いろんな形で把握をしてきております。  ただ、先ほど議員からございました、半年とか一年のもので一万人やったのではないかということの御指摘であったと私は理解いたしましたが、これはこの議会でも幾度となくそういうものについては入れるべきでない、基金事業による雇用は入れるなということの厳しい御指摘をいただきました。そして、その結果、基金事業を除いても一万人を達成しております。  そのことはまず申し上げておかなければなりませんが、ただ、確かに期限の定めのない、いわゆるかなり長く働くことのできるとか、待遇についても一定のレベル以上のものがあるといった満足できるものであったかどうかについては、議員の御指摘の部分があると思っております。  特に、リーマンショック以降は、雇用が再び非常に厳しい状況に変化してきておりまして、今、議員から御指摘があったような、そういう派遣切りに遭ったりとか、なかなか次の仕事が見つからないということも現実としてあるということは私どもも認識をしております。  雇用対策は、こうすればうまくいくという特効薬みたいなものは発見するのはなかなか難しいところもございますけれども、こうした県民が非常に厳しい状況にあるという認識に立ってこの雇用対策を、これはまず足元でございますので、経済対策とあわせて実行していかなければならない、大変厳しい状況であるという認識を持っているところでございます。  それと、県政そのものの進め方、県庁運営に関しまして幾つかいただきました。  まず一つは、トップダウンからボトムアップに変わっていったかということについてでございます。  これはマニフェストと同じように、やれている部分とやれていない部分があると思っております。  やれている部分は、私が判断する前に、担当の本部できちんと判断した後、副知事も含めたところで副知事の意見も聞き、そうしたものをすべて踏まえた上で、私が話を聞いて物事を判断するというふうなところに変えていった方式などは、ボトムアップで来ているという方式の例だろうと思っております。  ただ一方で、例えば、ボトムアップだけすればよいのかというと、そんなことはないんだろうと思っております。  議会からも厳しい御指摘をいただきましたが、多布施川の河川敷を暴力団が占有していたという案件については、結局、下のほうから上のほうに、私のところに届くまで一年以上かかっておりました。こうしたものはボトムアップというか、まずは現場でということで、現場の職員は解決に向けて一生懸命努力をしていたものの、そのことがトップに伝わらなかったということで、解決に時間がかかっていってしまったということもございます。  また、公立学校の耐震改修についても、事務方から上がってきた案は、無理のないところでということで、かなりの時間をかけてやるということでございましたけれども、子供たちの学ぶ公立学校の耐震改修についてはできるだけ早くやろうということで、二年前倒しの計画をつくったりもしております。  そういうものについては、下から上がってきたものをそのまま判断するということではなく、やはり上のほうから、それは違うんではないかと指摘することもトップの責任として求められていると私は思っておりまして、そのボトムアップとトップダウンをどう組み合わせていくのかということが私に問われていると思っておりますが、これがきちんとうまくできているのかと聞かれれば、それが一〇〇%うまくいっているなんてことを申し上げるつもりはございませんし、そこは引き続き、次の期への課題にさせていただきたいと、私個人としては思っているところでございます。  それともう一つ、先日の転落した職員についてでございますが、これは実際に捜査を担当していらっしゃいます警察の見方としても、まだ公式見解としては公表されておられませんので、自殺だったかどうかということについても、こうした公式の場でのコメントはちょっと控えさせていただきますが、いずれにしても、勤務時間の中に我々の仲間である職員が命を失ったということについては、痛切な痛みを感じているところでございます。  すぐさま職場の状況についても把握をさせました。その報告を当日も伺っておりますけれども、特に忙しいとか、悩んでいるといった様子はなかったというふうに当日も聞いておりますし、私どもとしては、この原因が最終的には不明でございますけれども、いずれにしろ、この方について、極めて仕事がもう常軌を逸したような状況になっていて、こうしたことを選ばざるを得なかったということを直接裏づけるものは今までのところ見受けられていないと考えております。  繰り返しになりますが、原因がどうであれ、こうしたことで命を落とされたということについては、大変痛切に痛みを感じておりますし、こうしたことが起きないようにするための一つの工夫として、とにかくあのさくを越えて飛びおりられたということは事実でございますので、そうしたことが起きないような応急の対策といったものは講じたところでございました。  次に、早期退職がふえているというところでございますが、数だけで見ますと、平成十八年度は七十二人、平成十九年度が七十七人、平成二十年度が五十五人、平成二十一年度が三十九人となっておりまして、最近ふえつつある傾向というふうには理解をしておりません。  いろんな御事情がおありになるだろうというふうには思っておりますし、次の仕事が見つかったという理由で早くおやめになる、いいタイミングだからやめるというような方もいらっしゃるんであろうと思っております。  次に、人員削減でどのように影響が生じてきているのかということでございますが、今、議員から御指摘のあった用地職員については、平成十年度のころに景気対策などもあって、公共事業関係が非常に多かった時代には、土木関係の用地職員というものは八十八人でございました。また、技術職員は六百八十五人という数字でございました。それで、当時は公共事業のレベルで申し上げますと、千七百六十七億五千八百万円、千七百億円でございました。それが平成二十二年度には六百七十一億六千五百万円でございますので、この平成十年度比で発注量そのものとしては三八%、つまりピーク時の四割になっております。  それに対して、県土づくり本部の特に技術関係の職員は、ピーク時が六百八十五人だったものが五百六十七人、土木の用地職員は八十八人だったものが七十九人となっておりまして、これらを見てみますと、この事業の減に比べれば、職員の削減の幅は少ないというところがございます。  ただ、リーマンショック以降、緊急に経済対策を行わなければならなくなりましたので、ここで急に事業量がふえているという要素はございます。そうしたときに、急に技術関係の職員をふやすわけにはまいりませんので、希望していただける方はそのまま残っていただいて、引き続き用地関係の仕事についていただくなどの御紹介もしておりますけれども、そういったことについてはまだ十分じゃないところもあるのではないかとは思っておりますが、数字だけ申し上げれば、そういう要素になっているところでございます。  確かに減っていっていることによって、一番減っていった要素というのは、一つは、例えば、旅費などの庶務的な仕事を民間の会社に委託するようになったということと、運転業務のような、これまで現業の仲間の職員の人たちがやっていた仕事を民間にお願いするようになったということで減っていった部分がかなりあると思っておりまして、公務員でなければやれない仕事について、急激に減らしてきているというふうには思っておりませんが、一方で、なかなか対応が足りないなと思いますのが、やはり新しくふえている業務に対してでございます。  例えば、児童虐待とかDVの問題など、本当はもっともっとやらなくてはいけないところに人が回っていないということは、議員からもよく御指摘を受けますけれども、そういった部分はあるだろうと思っておりまして、私は先般もこの議場で、緊プロもあり、かつまた公務員全体を削減させていくという大きな方針の中でやっていかなければいけないということもありやってきたけれども、今回の計画の達成をもって、職員の数を一方的に減らしていくということについては、一定のけじめというか、そこを終わりにしたいと私は考えております。  むしろ、これから対人関係で職員が県民と直接やりとりをしていかなければならないような分野については、むしろ充実させていくことが求められているとも考えておりまして、この職員の削減については計画を達成もいたしましたので、私はこれ以上削減をしていくということについては考えていないところでございます。  この人員削減で各職場にどのような影響が生じているのかについては、私としても引き続き関心を持って実態の把握に努めてまいりたいと存じます。  次に、国政の政情と県予算の執行問題ということですが、これは非常に重大かつ大きな問題でございまして、私どもとしても、まずは、できるだけ早く地方に、特に地方や県民生活に関係の深い法案については通していただきたいという気持ちを持っております。  また、直接関係ないかもしれないにせよ、県財政に大きな影響を最も与えると思われますのが地方交付税法案でございます。きのう社民党は賛成していただけるというふうになったと承知をしておりますし、公明党においても、そういう方向であるというふうにも伺っておりますものの、交付税法が通りませんと、四月に概算交付していただけることになっているんですけれども、その金額は通ったときに比べて、もう当然のことながら、少ない額しか出てこないことにもなってまいります。  国政自体が現在の状況にあるということは極めて好ましくないと私も思っておりますが、それを国民生活や県民生活、自治体の運営に影響が出るようなことにならないようにしていただきたいと思っておりますし、私自身も関係する政党や国会議員の方々には、こうした県の運営に支障が生じないような形で、ぜひ法案を通すべきは通していただきたいということについて申し上げたいと思っているところでございます。  それと、六月までは何とかなるにしても、七月からきついのではないかということでございました。  確かに、それはもういろいろきつい話が出てくると思います。そうなった場合には、もう一時借入金ですとか、基金の繰りかえ運用ですとか、そうした手法をとらざるを得ませんが、そうすればできるではないかということではなく、そもそも借りなくてもいいお金を借りるとかいうことをせずに済むように、やはり国政においては通すべきは通す、そして、もちろん各政党がそれぞれ政党として譲れない線はありましょうから、それはそれとして、政治の世界でしっかりと議論をしていただくということを求めたいと存じます。  次に、TPPについてのお尋ねで、現在の政府がこのTPPについてやみくもに進めようとしているが、それをやみくもにやってしまうと食料自給率四〇%から五〇%にするといってもできないではないかと。TPPについて議論をするならば、こうした農業政策や我が国の目標について、基本政策を明らかにすべきだという議員からの御指摘でございますが、私もそこは全くそのとおりだと思っております。  こうした日本、我が国をどうしていこうかということの全体像を明らかにせずに、まず日程だけが先に立って、ここまでに判断をするからということでやみくもに走っていくということについては、私はおかしいと思っておりますし、またTPPについては、いろんな方々やさまざまな立場から賛成、反対の議論がありますし、それはそれで、それぞれのおっしゃっていることについては、私は一定理解をしているつもりでございます。  そういう難しい事柄だけに、もっときちんと議論を起こしていって、その上で最終的に判断をしていく必要があるにせよ、どうしても六月までにしなければいけない事情があるというふうには私は認識をしておりません。  だから、そういったことを考えますと、これについては六月末ということを決めてやっていくのではなく、本当に我が国の農業や、そしてまたほかの産業がどうあるべきなのかきちんと議論を起こしていただきたいと思いますし、何より国の省庁によって言っていることが違うというのは、私どもは何を信用したらいいのかわからないという状態にございます。こうしたことについても、政府に対しては、政府としての統一見解を出せといったこともきちんと求めてまいりたいと考えております。  次に、祥楓会についてのお尋ねでございます。  ここまでの答弁は元気よかったんですが、これについては議員からはこの場でも幾度となく、過去に、平成九年にさかのぼったところの事情についてこの場で明らかにせよという御指摘、質問をいただいておりますが、その際にも申し上げておりますように、今回、私どもが監査したのはもうちょっと後のものでございますけれども、このこと自体が今警察で捜査の対象となっております。警察の捜査の対象となっているときでございますので、この場における御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。(「知事、逃げちゃいかんよ」と宮崎泰茂君呼ぶ)  次に、ハイマットについてのお尋ねでございます。  まず、資金調達に関する状況でございますが、現時点で一月末に示された資金調達見込み額から三億一千六百万円ふえていると伺っております。そして、この増加分も含めて、現在入金済み、そして寄附申込書提出済みの額は、寄附が約四十六億六百万円、出資が十一億二千六百万円となっております。  開設委員会において要請活動が行われている中で、社会貢献としての意義から資金協力をしたいと言っていただいておる企業等も少なからずあると伺っております。この目標とする総額百五十億円の資金調達は、もちろん簡単ではございません。ハードルは高いと考えておりますけれども、決して手の届かない金額ではないと考えております。  また、治療装置の支払い計画についてのお尋ねでございますが、治療装置の契約については、財団と三菱電機株式会社との間で、平成二十二年九月一日に製造請負契約が締結をされて、契約金額が七十四億五千万円となっております。  財団から私どもが伺っておりますのは、この支払い条件は、三菱電機株式会社との協議の上で決定されたものであるということで、治療装置の設計から引き渡しまでの一連の製作工程における三菱電機の資金需要を勘案して協議された結果であると伺っているところでございます。  また、職員への呼びかけに対して、こういったものをやっているのがそもそも足りないからではないかというお尋ねがございましたが、今議員から御紹介いただきましたけれども、職員に対しても大きな四点のお願いをしてきております。  それで、私はこの四点とも、いずれにしても無理をお願いしているつもりはございません。知っていただきたいというところから始まって、ちょっとしたことでも役に立つんですよとか、あなた自身からもお願いしたいと言っていますのは、既にいろんな関連の企業や、またこれに出資をしておられる企業で、社員が集まって自発的に募金をされたりとか、そういったところも出てきております。  そうしたことを考えますと、このプロジェクトの中核をなす県の構成である県職員がこうしたことについて全く取り組まないというのもおかしいのではないかということで、今回こうした呼びかけをしたものでございます。  ただ、余り強制にわたるということではいけないということで、そこはあえて職場での取りまとめをしないという方法をとりました。それを職場ごとにまとめますと、何か一種あおるような形にもなりかねないということで、そこはあえてやめようということで、そういうお気持ちがある方は直接この寄附申込書の送り先に出していただきたいということで書いておりまして、職場としての県としてやらなければいけないことをやりながらも、そういう強制にわたらないような工夫をして行っているところでございます。  また、債務負担行為を設定したのはなぜかということでございますが、この債務負担行為の決定については、次の選挙に出る出ないとか、任期が切れるということに関係なく、債務負担行為を設定する必要があるのかどうかというところで個々に判断がなされていると考えておりまして、私自身もこのことを自分の任期と関連づけて判断したものではございません。  県としては、この財団の支払い計画などに基づきつつ、また、補助金の支出が単年度に集中しないように、開設までの三年間で分割的に計画的に交付することとして、そのことをあらかじめ議会にも、そして県民にも明らかにしたいということで債務負担行為を設定したものでございます。  以上でございます。 9 ◎議長(留守茂幸君) 暫時休憩します。     午前十一時五十九分 休憩 平成二十三年二月二十三日(水) 午後一時 開議  出席議員    三十八名
        一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     三〇番  宮 崎 泰 茂     二番  藤 崎 輝 樹     一六番  峰   達 郎     三一番  武 藤 明 美     三番  徳 光 清 孝     一七番  土 井 敏 行     三二番  牛 嶋 博 明     四番  坂 口 祐 樹     一八番  桃 崎 峰 人     三三番  石 井 秀 夫     五番  宮 原 真 一     一九番  石 倉 秀 郷     三五番  篠 塚 周 城     六番  原 田 寿 雄     二〇番  伊 藤   豊     三六番  原 口 義 己     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三七番  吉 田 欣 也     八番  田 崎 信 幸     二三番  岩 田 和 親     三九番  石 丸   博     九番  石 井 久 起     二四番  藤 木 卓一郎     四〇番  木 原 奉 文    一〇番  内 川 修 治     二五番  福 島 光 洋     四一番  伊 東 猛 彦    一一番  末 安 善 徳     二六番  中 倉 政 義    一二番  太 田 記代子     二七番  竹 内 和 教    一三番  大 場 芳 博     二八番  稲 富 正 敏    一四番  古 賀 善 行     二九番  稲 富 康 平  欠席議員    二名    三四番  留 守 茂 幸    三八番  堀 田 一 治  欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    城  野  正  則          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      平  子  哲  夫          農林水産商工本部長    飛  石     昇          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       小  野  龍  太          会 計 管 理 者    山  口  和  之          公 安 委 員 長    山  口  久美子          警 察 本 部 長    鈴  木  三  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    宮  地  茂  喜 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          総  務  課  長   岩  瀬  茂  生          議事調査課長       蓮  把  邦  彦          政務調査室長       野  中  博  人          総務課副課長       向  井  久美男          議事調査課副課長     毛  利  明  彦          議事調査課議事担当係長  芦  村  耕  介          同    議事担当主査  石  井  健  一         ○ 開     議 10 ◎副議長(稲富正敏君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き、一般質問を行います。 11 ◎宮崎泰茂君 登壇=再質問を行います。  まず、知事、二期目の総括の中の問題で、ちょっと新聞報道によりますと、あなたが今月の十九日に事務所開きをされたと。そのあいさつの中で、こういうくだりがあるんですね。「できるだけ多くの政党の理解を得て戦いたいと思ってきた。内部だけで争っている地域は遅れてしまう。この地域を良くしたいとの思いは政治情勢に関係なく気持ちを一つにして実現していきたい」。  ここで問題視したいのは、政党の理解を得て戦っていきたいと思ってきたと、それはそうでしょう。内部だけで争っている地域はおくれてしまう、これはどういう意味ですかね。内部で政党間の論争というのは当然のことでしょう。イデオロギーが違う人たちが、いろんな形でやっぱりやっていくわけですから。そのために党の綱領というのがあるわけですから、その綱領に基づいて政党活動をやっていくわけですからね。  それで、あなたはそういう思いがあって自民党や民主党や公明党、あるいは社民党に推薦願を出されたわけですか。イデオロギーが違うのに、内部だけの争いで地域がおくれてしまうって、こういう認識を持っていらっしゃるところに非常に問題があるんじゃないかなというふうに私は思っているんですよ。  それからもう一点は、職員の問題ですが、今、トップダウン方式の問題について、あなたは副知事等の意見を聞きながらという答弁をされましたけれども、末端の一般職員たちがどういう思いでやっているか御存じでしょうか。もう少しきちっと出先の職員とか、そういう人たちの意見を一回聞いたらいかがですか。我々には非常に不満の声が投げかけられてきているんですよ。  あなたは人事権を持っているから、一般現場の職員はなかなか言わないというのが現状でしょうね。また、あなたの周りを取り巻く部課長の人たちもそういうことじゃないでしょうか。周りを見て何を見ずという言葉もありますがね。そういうことは言いたくないですけれども、そういう不満の声がいろいろ出てきておるのは事実でございます。  それから、国政の政情と県の予算の問題についてであります。  今、国の借金が長期、短期国債発行高合わせまして、二十三年度末には一千兆円になるであろうという予測がなされておるわけですね。  そうなってまいりますと、今、国の予算が九十二兆四千億円でしょう。仮に百兆円としましても、十年間何もしなくて借金を減らさにゃいかんような状態になっているんですよ、一千兆円というのはね。  こういう状況の中において、今何をしなくちゃいかんかというと、やっぱり景気の回復でしょう。そして、景気の回復をするためには、やっぱり安定政権の政治のあり方でしょう。これが今求められているんですね。  皆さん方を前に大変失礼ですけれども、自民党や民主党がそういう権力争いに終始するときではないはずなんでしょう。(発言する者あり)いろいろ言われておりますけど、どうぞ御自由に言ってください。我々国民はそういうものを望んでいるんじゃないんですよ。いかにして今問題になっている来年度当初予算を通して、景気を立て直して、そして国民生活がどのように守られていくか、そこを我々は望んでいるわけですね。しかし、残念ながら足の引っ張り合い、内部抗争に終始をして、国民生活や県民生活がおざなりになっているこの現状、私は非常に嘆かわしい光景だというふうに思っております。  そういう中において、いや応なしでも、場合によっては暫定予算、あるいはそれ以上のことをやらなくちゃいかんというふうな形が出てくる可能性が予測をされます。そういう状態を、佐賀県民の生活を守るという立場から、知事は今後のあり方についてどのような手を打たれるのか。もしそういうお考えがあるならば、ぜひこの場でお示し願いたいというふうに思っております。  それから、環太平洋パートナーシップの問題ですね。  私が午前中の質問の中で、自給率を一〇%上げるなら、日本の農業施策の基本的なあり方について国民の前に明らかにして、その論議をして、その論議の結果をもってどうするのかということをやっていただきたいということを私申し上げましたけれども、知事もそのとおりだというふうに御答弁なされました。  そのとおりであるならば、知事、菅内閣は、農水省の言っていることと経済産業省が言っていることとはてんでんばらばらでしょう。その辺についても含めて、あなたは菅内閣に太いパイプを持っていらっしゃるようですから、ぜひそういう働きかけをしていただきたいと思いますが、そういう意思があるかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。  それから、次の社会福祉法と県の対応、捜査中だから答弁できませんて、これで三回目ですよ。私が言っているのはそんなもんじゃないんですよ、知事。この間、平成九年度に、設立当時一億円やった資産が、途中で四千九百万円引き出された。その四千九百万円の金はどこに行ったかわからん。  そういう状況の中において、平成九年度の決算報告をきちっと精査しておるならば、設立認可にそぐわない状態になってきている。だとするならば、この時点で認可を取り消すということができたはずなんです。それがなされないまま、こういう形で引き継がれて、その結果、平成十八年以降の監査で六千九十九万二千何がしかの流用があったというふうに言われておりますが、本当にこの六千九十九万二千三百十三円の流用というのは信憑性があるんですか。どこをもって信憑性があるというふうに言えるんですか。四千九百万円引き出した分はどうなっているんですか。その辺を明らかにしていただけなければ、この問題は解決しないというふうに私は思っておるんですよ。その辺についてもう一回答弁を求めます。  それから最後に、がん治療施設問題でありますけれども、信頼関係の上に立って推進をしたいということは知事みずからの発言であります。そして、知事を先頭に百三十億円の寄附を集めるということをあなたの政治生命をかけてやってこられているわけでしょう。なぜならば、二期目のマニフェストにそう書かれている。こういうものをつくっていくということね。  だとするならば、私はこの中身について、透明性を持って明らかにしていただくということが、あなたが言われている、いわゆる「オープン」「現場」、それからもう一つ何ですか、一番最初言われましたね。そういうものに沿っていくことが、あなたが望まれているわけでしょう。  なぜここで建屋や治療装置の設計金額と入札金額が明らかにならないのか。そこに私は非常に疑問を持っておるわけです。金が集まりにくいというのは私はわかっております。それは幾らあなたがここで、いや集まっておりますよと、私が一月二十八日現在のやつを言ったその後に、三億円ぐらい集まっておると。そのぐらいの問題じゃいけないわけでしょう。  本来ならば、治療施設が七十四億五千万円でしょう。建屋だって相当な金額になっておるわけでしょう。契約するときに、その保証たるものは何ですか。手持ち金が幾らあるからやれるわけでしょう。これから先、どれだけ入ってくるかわからんような、そういう見通しの中で発注がなされた、また経営がなされようとしている、そういう無計画な問題だと私は指摘をしなくちゃいけないわけであります。その辺の知事の見解をひとつお示し願いたいと思います。  以上です。 12 ◎古川知事 登壇=宮崎議員の再質問にお答えします。  まず、事務所開きのときの、私の内部だけで争っている時代ではないという発言について、どういう意味かというお尋ねでございます。  先ほど宮崎議員からは、国政における政党間、あるいは政党内部の争いについて、こうしたことをする前に、きちんと国民の前に責任を果たせということをおっしゃったと私は思っておりますけれども、私は現職で、しかも多くの政党に支援を、推薦をお願いしている自分の気持ちとして見たときには、私は今、佐賀県というのは、いわば一丸となって外に立って打って出なければいけない時代だと考えているということを申し上げたところでございます。  無論、個別のいろんなやり方や政策について、議会の場を含め、さまざまなところで御議論があり、そうしたものをしっかり踏まえていかなければいけないというのは当然の前提でございますが、いわば内部だけの抗争にやつしているような、地域経営をしているような時代ではないということを申し上げたかったということでございます。  次に、現地機関の職員の話についてお話がございました。  どんな組織でも全員が満足するような組織というのは理想ではあるけれども、実際にはそういったものはなかなか難しいだろうと思っております。  私自身も、私自身のいろんな県政運営のあり方についてや、またマネジメントについてさまざまな御意見があるということを直接職員から聞くこともありますし、間接的に御意見をいただくこともございます。そうした中でございますので、私に対する意見というものはいろんなルートで一定は耳にしているつもりでございます。  また、若い職員、現地機関で働く人間たちの生の声を聞けというお話もございましたので、私は現地機関訪問というものをやっておりまして、平成二十一年からスタートさせていますけれども、大体年間に五、六回ぐらい行っております。  そしてそこでは、現地機関のトップから話を聞くというのではなく、まさに若い人たちの生の声を、しかも、だれが何を言ったというのがわからないような形で、名前を書かずにいろいろ出してもらって意見交換をするということもやったりしております。  そういう中では、確かに私が気づかなかったようなさまざまな問題だとか、現地で働いている機関ならではの、いろんな気づきや発見がございました。そういったことに対しては感謝もしております。  また、逆に我が県の財政がどういう状況にあるかというふうなことについては、現地職員の方の中には余り御存じない──御存じないと言うといけませんね、きちんと理解していない人たちがいるということも改めて感じているところでございまして、今、我が県の財政状況がどうなっているのかなどについては、やはりまず県職員にきちんと理解をしてもらうことが必要だというふうなことを自分なりに感じたりもしてまいりました。  また一方で、実際働く現場にいる職員として、今、例えば、子供なら子供の対応をしている職員の人たちが、どれだけの苦労や工夫があるのかといったことや、勤務時間外でもやっていかなければ、そういう人たちの対応ができないということ、そういったことなんかも伺っております。  また、例えば農家の方などからは、普及所の若手の人が朝も早うから来て、夜は遅うまでおってくれるみたいなところで非常にありがたいというふうな声もいただいているところでございまして、そうした目に見えないところでも職員が頑張っているなというふうなところも私なりに学んできているところでございます。  引き続き、こうした現地機関訪問についてはやっていきたいと考えております。  それと、国政との関連の話でございます。  とにかく国会は、さきの国会もそうでございましたし、その前の国会もそうでございましたが、内閣提出の法案の成立率が極めて低い状況が続いております。これは国民生活にとって必要があるからこそ法案が提出されているわけでございまして、何としてでもたくさんの法案を通していただきたいと私は思っているところでございますが、今回のような状況を見ておりますと、暮らしに極めて関係の深い法案まで成立しないのではないかという危惧の念を深くするところでございます。  そういう中で、景気の回復をさせていくためにも、佐賀県民の暮らしをどう守っていこうとするのか、妙案があれば披瀝をというお話でございましたが、私自身が何か案を持っているわけではなく、これはまずは国政の問題でございますので、ぜひとも国において真剣に議論をしていただきたいと思っております。  私は私として、県選出や県関係の国会議員や国の各政党に対して、我々として求める法案の早期成立をしっかりと訴えていくということをこれからやっていきたいと考えておりますし、最悪のことを想定しながら、県政運営や財政運営の見通しを立てておくということも求められることであると考えているところでございます。  次に、TPPについて働きかけを行うべきではないかというお尋ねでございますが、これについては、今議会が終了した後に、私としても改めて政府や関係政党のほうに行って、このTPPに対する考え方について、改めて意見を申し述べてきたいと思っております。  基本的には、先般の十一月議会で議決されている県議会の意見書と方向的には同じ内容でと私は思っておりますけれども、執行部として、果たしてどういう数字が正しいのかということについて、こうしたものをきちんと出していただきたいということや、締め切りが先に来るようなことがあってはならないというふうなことなどについても、しっかりと申し上げてきたいと思っているところでございます。  次に、社会福祉法人のことについてのお尋ねでございますが、繰り返しになりますが、具体的な案件についてはなかなか御答弁が申し上げにくいわけでございます。  一般論として、例えば、議員から御指摘があっております、社会福祉法人の設立に当たりまして、法人に対する寄附が予定されている場合に、どのように確認をしているのかとか、寄附が未履行の場合はどうするのかということについてお答え申し上げます。  これは一般論でございますが、社会福祉法人の設立に当たって、寄附が予定されている場合には、設立の認可申請時に寄附が確実に見込まれることを確認するために、寄附予定者の預貯金残高証明書や寄附する不動産の登記簿など、また、寄附予定者と法人設立代表者との間で交わす贈与契約書の提出を求めております。  また、寄附が未履行の場合には、県から法人に対して寄附の履行について指導をすることになります。  また、やむを得ず予定していた寄附が履行できない場合は、法人に対して、法人運営に支障が生じないかどうか、理事会で審議を行っていただくなどの対応を講じるとともに、寄附者と交わした契約の解除を指導することになります。  また、資金流出額六千九十九万円の根拠についてのお尋ねでございますが、平成二十一年一月十九日から五日間にわたり実施をいたしました特別監査において、会計帳簿上から法人の外への資金流出があることを確認いたしました。このため、法人に対して内部調査を実施して、その結果を報告するよう指示しましたところ、平成二十一年二月十八日に法人から調査結果の報告がありまして、流出額は六千九十九万二千三百十三円であることが判明したものでございます。
     なお、平成二十一年四月十一日に当該法人理事長などに対して行った事情聴取におきましては、六千九十九万二千三百十三円の資金流出が事実であることを前の常務理事などが認めましたことから、流出額をこの額と確定をいたしまして、平成二十一年四月二十七日に当該法人に対して措置命令を行ったものでございます。  次に、ハイマットについてのお尋ねでございます。  透明性を持って明らかにしていくべきというお尋ねでございますが、情報公開条例の対象内になっているものについてはきちんと情報公開をしてまいります。  ただ、これは民間と行政とが手を携えて進めている案件でございまして、この民民の取引において、それを出していくということが次の受注や契約に差し支えがあるということについては、それを出せないということについては私どもも理解をしておりますし、一般的に申し上げても、民民の契約において、どこのだれと、どういう額で契約をし、また、どういう時期に幾らお支払いをいただくということについては、これは取引上の秘密ということで一般的に理解されていることと考えているものでございます。  私からは以上でございます。 13 ◎宮崎泰茂君 登壇=私のほうから再々質問をいたしたいというふうに思っております。  まず、国政の政情と県の予算の関係であります。  この関連法案等々が通らない限り、赤字国債を発行されない。そうなってまいりますと、佐賀県に及ぼす影響というのは、地方交付税がどういう形になるのか、あるいは国庫負担金がどういうふうな形で延期されるのか。そのことによって、今佐賀県が計画を実行しようとするものに大きな影響を及ぼすだろうというふうに思っております。そういう形で我々は危惧をするわけです。  まず、そういう事態にならないことを我々は望んでおるわけですね。しかし、万が一そういう事態になったときに、佐賀県に一番影響を及ぼすのはどういうものだという認識を持っていらっしゃるのか、ひとつお示しを願いたいというふうに思っております。  それから、パートナーシップ協定の問題はぜひそのように。そして期限を切らずに、国民が論議をして、その結果を見きわめて対応するようなことを政府に強く注文をしていただきたいというふうに思っております。  それから、社会福祉法人の問題ですけれども、私が言っているのは、法律で義務づけられておる事業計画と決算報告の問題についてどういう精査をされたかということですよ。  設立当時に資産が一億七十二万六千円ある、これは登記簿に登記をされております。そして、平成十年三月に四千九百二万四百七十円が引き出されておる。そして、平成十年九月二十三日に理事長が交代されておる。じゃあ、平成九年度の決算はだれがどのような形で精査をして、何もなかったという形になっておるのか。この平成十年三月に四千九百万円引き出されたということは、登記簿謄本にきちっと明記されているんですね。そのことはなぜされなかったのか。そのことをされなかったために、こういう問題が派生的に出てきたというふうに私は見ておるわけですけれども、それはだれの責任でされなかったのか。そのことは捜査とは関係ないと私は思うんですね。そのことをされたのか、されなかったのか。されたとするなら、どういう措置をとられたのか。明らかにしていただきたいと思います。  以上です。 14 ◎古川知事 登壇=まず、国政と関連する法案の状況についてでございますが、関連の法案が通らない場合、一番困ると思っているものは何かというお尋ねでございますが、地方交付税法がやはり一番困るだろうと思っております。これが通りませんと、実際に概算交付される額が減っていってしまうということもありますし、仮に通らないとしたときに、いつ通るかもわからない状況ということになってしまうわけでございますので、今御質問を受けて、ぱっと自分の頭の中で思うのは、この地方交付税法が非常に大きいというところでございます。  そのほか、例えば義務教育国庫負担法でありますとか、そういった関連のものもあるかと思いますし、福祉関連の法律で制度改正が予定されているものなんかについても、結果的に県民の暮らし、市民の暮らしに影響が出てくるものもあろうかというふうには思っております。  また、TPPについては、まず期限ありきではなく、しっかりとした国民議論を巻き起こすようにということの内容を含めて申し入れをしていきたいと考えております。  それと、社会福祉法人についてのお尋ねでございますが、具体的にだれがどのような形でその行為を行ったのかということについては、これはまさに捜査中の案件ということでございますので、この場における答弁は差し控えをさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、この社会福祉法人の設立と運営に当たりましては、必要な指導監督をその都度県として実施しているところでございます。  以上でございます。(「議長、答弁。答弁ばさせじにゃ、議長は。議長、きちっとした答弁させなくちゃ。何のためにそこに座っとんね」と宮崎泰茂君呼ぶ) 15 ◎稲富康平君(拍手)登壇=質問に入る前に、鳥インフルエンザの発生や霧島連山の新燃岳火山噴火で大変御苦労なさっている宮崎県、鹿児島県の県民の皆さんに対し、心からお見舞いを申し上げます。一刻も早く事態が終息することを念じております。  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  まず、「さがびより」についてでございますけれども、佐賀県の農業試験研究センターが開発した「さがびより」は、一昨年から暑さに強い品種として、農家を初め関係者の期待を背負いながら栽培が開始されたところであります。  作付初年目は千五百ヘクタール、二年目の昨年は四千四百ヘクタールが共同乾燥調製施設を中心に作付が行われ、生産者の皆さんは栽培講習会に参加されながら、この品種の特性に応じた栽培管理に日々努められたところであります。  この結果、初年目、二年目とも収量、品質とも期待どおりの成果を得ることができ、さらに、日本穀物検定協会が実施しました食味ランキングにおいて、最高の特Aに評価されたところであります。  この特Aという評価は、四十三道府県から百十七品種が出品され、特Aにランクされたのは二十品種であります。その二十品種の中で最も高い点数を獲得したと聞いております。佐賀県で初めての特Aというランクでもあります。  こうした中、三年目のことし、作付面積もさらに拡大すると思います。昨年以上においしくて品質のよい米を生産し、「さがびより」を本県を代表する銘柄米に育てていくことが重要だろうと思います。  このような中で、共同乾燥調製施設以外にも個別で乾燥調製する農家の間でも作付が行われていると思いますが、栽培者全員が栽培技術を忠実に守って、いい商品に仕上げていくことが必要だと考えます。  そこで、三年目となる今年の「さがびより」の生産について、佐賀県ではどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、所見をお伺いいたします。  次に、佐賀県農業の振興についてお伺いいたします。  菅政権は、唐突にTPPの話を持ち出してきました。このTPPの話については、いろんな方から質問があっておりますので割愛しますけれども、TPPの問題、我が国の農業の情勢を今見ても、高齢化による担い手減少、長引くデフレ経済による農産物価格の低迷、燃料費、資材、肥料価格の高騰など極めて厳しい状況にあります。  また、地球温暖化の影響など米の高温障害による品質の低下や、ナシなどの全国的な出荷時期の集中などによる価格低下などが顕在化しております。  こうした中、県では、新品種や新技術の開発、普及にしっかり取り組み、例えば「さがびより」、それから今イチゴの品種の開発等にも力を入れておられます。また、農産物の輸出にも取り組まれているところでありますが、私は注目を集めるような取り組みだけでなく、足元をしっかり固め、着実に取り組みを進めていくような農業振興を図っていくことが必要じゃないかと思います。  そこで知事は、今後の佐賀県農業の振興にどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  次に、子ども手当についてお伺いします。  昨年四月から所得制限なしで、中学校卒業までの子供一人当たり、月一万三千円の手当が支給されております。  しかし、この手当が子供のために使われず、保育料や給食費、税金などを滞納しながらも、親の遊ぶ金に使われている場合も多いと聞いております。これは二重取りのような感じがするわけです。矛盾が多過ぎるんじゃないかと思います。  アンケート調査でも子ども手当の評価は低い。莫大な現金をばらまき、無駄に使っているとしか言いようがないんじゃないでしょうか。そして、ツケは後世に回すと。  新年度の子ども手当法案がもし通った場合、財源が二兆九千三百五十六億円、地方で五千五百四十九億円、これは都道府県と市町村が折半で負担する金額なんです。  このようなことから、私は子ども手当はやめて、給食費、修学旅行、教材費、これを無料にする。給食は安全な、安心して食べられる佐賀県産の食材で給食を与える。そして、保育園の整備をする、そういうふうな予算の使い方。子ども手当の現金支給について、県民は今のようなやり方でいけば反対する人も少なかろうと思います。  それとまた、子ども手当を支給するために、県や市町村も相当の事務費を必要としております。この手当をとめれば事務費も要らなくなるわけです。  全国でも、神奈川県など六十五自治体が子ども手当の地方負担に反対し、予算を計上しておりません。佐賀県もこの際、反対ということでしっかり反対し、子ども手当は支給せずに、先ほど述べましたように、給食費をただにするとか、そういう面に予算を持っていくべきじゃないかと思いますが、知事の所見をお伺いします。  次に、六角川の内水対策についてお伺いします。  まず、六角川と牛津川については、これちょっとわかりにくかですかね。(資料を示す)牛津川と六角川はぶつかっとるわけですね。多分、皆さん方の中で何人かは知ってあると思いますが、河口堰をつくるために、この流れが変わっているわけです。(「見えんよ」と呼ぶ者あり)この青が昔の川、赤でこう線を引いとるとが新しい川。ということは、流速が早い牛津川の水が六角川を押すわけです。そういう地形に変わっているわけですね。  だから、この問題をまず解決しないと、全体的な──ポンプを幾らつけても一緒なんですよ。三百五十トンからポンプがありますけれども。  そして、部分的に言う人々がいっぱいいます。部分的にここがつかりました、ああしましたと言うのはだれでもできます。だから、こういう根本的なところから解決をしないといけないというふうに思います。  そこで、国土交通省の八月の会議の中でも、「六角川・牛津川の未来を考える意見交換会」の中でこの話も出てきていますので、国土交通省の方々も知ってあると思います。  ですから、今後こういうところのあれも含めてやっていただきたいなというのが趣旨でございますので、洪水時に流れが滞留し、上流からの排水を阻害しているような合流部分、この部分を改良すれば、かなり流れがよくなるだろうというふうに思います。  それともう一つ、ポンプはつけたらいかんばいと今ちょっと言いましたけれども、うちの地域は年に三回ぐらいつかります。それで、やっと〇・六トンをつけてもらいました。これは十何年かかっています。  これも、一日で済めばいいですけれども、商売をしてある人の家の前が二日も三日もつかれば、商売はできんような状態なんです。ですから、こういう問題、ここも今〇・六トンをつけてもらったことに対し礼は申しますけれども、あと今後を見ながら増設せないかん場合もあるかもわかりませんので、その辺の検討をしながら、いい結果になるように導いてほしいなというふうに思います。  次に、九州新幹線についてお伺いします。  これは九州新幹線西九州ルートと書いていますけれども、この問題と並行して、一つは長崎本線の存続、あと八年すれば新幹線が大体開通するだろうと。開通して二十年間は佐賀県と長崎県とJRで運行するということになっていると思います。  そうした場合に、六角川にかかっている鉄橋、こういう鉄橋があと二十八年間もつのかと。長崎本線ができて七十年になります。約百年もつのかという問題等もありますので、新幹線が開通する前に、長崎県と佐賀県とJRでその辺の審議をしっかり詰めていってほしいというふうに思います。  今からやって、来年か再来年ぐらい、ようやくテーブルに着くぐらいじゃないかと思いますので、新幹線が開通したら知らんよと、長崎新幹線が開通したら長崎本線は知らんよと、そういうことにならないように、早くテーブルに着いて審議に入っていただきたいなというふうに思います。  次に、沿岸道路についてお聞きしますけれども、今福富までルートが決まりました。それで今、住ノ江橋がありますけれども、大型車は離合できません。今、工事でダンプや大型車が結構通っています。離合で待っています。交通渋滞の原因になっています。  そして今、耐震補強はしてありますけれども、もともと設計は十四トン荷重の弱い橋なんですね。ですから、沿岸道路工事を進めていく上で、住ノ江橋を一番最初につくってほしいと、工事用道路、いろんな意味もありますので。そのためには、スパンが長いので、設計にも時間がかかるだろうと思います。早目に設計に取りかかっていただきたいなというふうに思います。  それと、今盛り土で進んできています。六角川以南につきましては粘土層が多く、地盤が物すごく軟弱であります。そこでまず、試験盛り土をし、データを十分とって、道路構造を盛り土形式でいくのか、高架でいくのか、そこで判断をしてほしいなというふうに思います。ですから、橋梁を先につくる試験盛り土をやって、データをしっかりとって設計をしてほしいと思います。  まず、一回目の質問を終わります。(拍手) 16 ◎古川知事 登壇=稲富康平議員の御質問にお答えします。  まず、佐賀県農業の振興についての基本的な考え方についてのお尋ねでございます。  農業といいますか、佐賀県における農業というのは、業という存在のみならず、それにかかわる農家や農村といったものも含めて考えますと、非常に大きなものがあると思っております。また、農業や農家、農村というものは、地域とともにある存在でございます。そうしたことを考えて、その業としての、例えば生産額であるとか、そういったことを超えたものであるということをまず認識の前提に持たなければならないと考えております。  この広い意味での農業の果たす役割をこれからも確実に果たしていただいて、農家の方々が安心して経営に取り組んでいただくようにしていかなければならないというのがまず基本的な考え方でございます。  そのためには、今、日本国内の人口が減っていっております。こうしたことを考えてみますと、どうやって佐賀県の産品を手にとって選んでいただけるのかということを意識した農業になっていくべきだと考えております。  私は常々、お客様、環境、世界、この三つを視野に入れた農業をやっていかなければならないということを申し上げておりますが、全体の人口が減っていく中でも、佐賀産のものを食べよう、飲もう、選ぼう、そういったことをお客様にしていただけるようなブランド形成をしていかなければならないと思っております。  議員からお話のございました「さがびより」を初めとする米にしても、またビール麦生産量一位の麦にしても、また単収が一位の大豆にしても、それぞれいろんな努力によって、佐賀県産品というものは国内のマーケットの中でも非常に誇るべきものがあります。イチゴ、タマネギ、佐賀牛、それぞれについても、そうしたものをよりお客様にわかる形で売っていくことが今求められていると思っております。  あわせて、技術的な開発も求められてまいります。例えば、露地ミカンにおいて根域制限栽培というものがございます。これはまだ一部のミカン農家でしか行われておりませんけれども、これをやっていただくことによって、かなり糖度が高いミカンを生産することが可能になってきております。こうした方法を取り入れていただく先進的な農家を支援していくことによりまして、佐賀のミカンは非常においしいという評価を得ていくことも可能になるのではないかと思っております。  今、また石油が上がってきておりますけれども、こういう燃油高や資材高にいつも悩まされている農業ではなく、こうしたものを減らしながら続けていくことのできる省資源型、環境保全型農業も進めていかなければならないと考えているところでございます。  いろいろ申し上げましたが、議員も常々おっしゃっておられるように、この農業、広い意味での農業は、本県にとって、いつの時代にも極めて重要な産業であり、存在であると考えております。今後とも、この農業にかかわっておられる方々が希望を持って、そして安心して経営に取り組むことができるように、しっかりと振興に取り組んでまいります。  次に、子ども手当についてのお尋ねでございます。  なかなか言いにくいこともあるんですけど、まず、子供を育てていくのに、これまでの児童手当というのは所得制限なんかがあったわけでありますけれども、それを社会が育てていくようにしましょうという方向性については、私は賛成でございます。  私どもは、これまで育児保険構想というものを国に対して提案もいたしておりました。これは、国民の皆様から保険料というものをお預かりするという形ではありますけれども、子供を持っている人だけが保育にかかわる費用を負担するのではなくて、次の世代の子供を育てていくのは、ある意味、社会のみんなでやっていくんですという考え方に基づくものでございました。そういう意味では、この子育てをしていくのにお金を給付するという考え方そのものは私も理解できるところであると思っております。  ただ、これに対して実際に給付を始めたところ、評価についてはさまざまあるのは私も承知をしております。残念なことに、アンケート調査でも、半分近くの方が貯金に使われているというふうなところもあるようでございまして、気持ちとしては、もっとこれを実際の子供の教育などに使っていただければなという気持ちは私も持っております。  じゃ、これから子ども手当はどうなったらいいと考えているのかというお尋ねでございますが、私も基本的に、議員から御指摘のあった給食費の無料化とか、食材をすべて地域のものにするとか、そういった形にしていくことに賛成でございます。  私は、この子ども手当については、どのような使い道にするかについては、それぞれの地域、つまり市や町で判断をしてもらってはどうかということを提案しております。  これまでどおり、個別の世帯に配るほうがいいと判断されるところもありましょうし、給食費を無料にするとか、子供の医療費を無料にしていくとか、そういったところに取り組んでいくところもあるだろうと思います。  そうしたことを霞が関や永田町だけで決めてしまうのではなく、何に使うかについて市や町で真剣に議論をして、議会と執行部で話をして決めていただくということが、私はこの地方分権時代にふさわしい子ども手当になるのではないかと思っております。  一方、現在の子ども手当について課題を申し上げますと、もともと平成二十二年度の子ども手当というのは、私どもから見ますと極めて中途半端な内容で合意したものでございました。  といいますのも、民主党マニフェストにおいては、子ども手当は全額国庫で行いますということが明記されておりました。しかしながら、財源調達が間に合わなかったということで、平成二十二年度の特例ということで児童手当分の地方負担がそのまま残った格好になってきております。  これについては、二十二年度の方式を決めるときから、問題だから、これについては国と地方で協議をしていきましょうということが決められておりましたが、残念なことに、その協議がなされませんでした。このことに対して、神奈川県を初めとするところから非常に怒りの声が上がっているというものでございます。  私は、これが憲法違反だとまでは思っておりませんけれども、もともと一年限りだということで国と地方で話し合って決めたことを、全く協議することなく、十二月になって、やはり一年先延ばしでというふうにお話があったことについて、私どもはおかしいということを申し上げているわけでございます。  国と地方の役割分担を考えますと、これはもともと私どもが求めていたということもありますけれども、マニフェストにやるということが書いてあるわけでございますし、私どももそういう整理で二十二年度についてはやむを得ないということで合意をしたものでございますので、ぜひとも全額国庫負担とすることとあわせて、議員御提案あったような子ども手当の使い道についても、地方で工夫の余地があるような、そういうやり方についても提案をしていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 17 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=六角川の内水対策について、二点お答えを申し上げます。  まず、六角川と牛津川合流点部の改善についてでございます。  この二つの河川は、流れの向きが互いに向き合う形で合流をいたしておりますが、洪水をスムーズに流下させるためには、議員からも御指摘がありましたように、もう少し下流側で流れの向きをできるだけ近いものにして合流させることが望ましいというふうに考えております。  一方、この河川の合流部分の直下でございますが、先ほどお話がありましたように、六角川水系を高潮から防御するための河口堰が設けられておりまして、仮にこの合流部を大きく下流につけかえるということにいたしますと、これにかわる新たな防潮水門を建設するか、または堤防を上流までずっとかさ上げをするといったような新たな高潮対策が必要になります。こうした対策に多大な費用と年月が必要だというふうに想定をいたしております。  こうした状況にはございますが、まずはその合流点の形状をどのように改善したら、この二つの河川でどの程度の水位低下が見込まれるのか、まずは国において試算をしていただくよう要望をしてまいりたいというふうに考えております。  いずれにしても、この六角川水系につきましては、現在、国において河川整備計画が策定中であります。その中で、流域全体の治水対策を検討されているところでございまして、県としても排水対策が充実するよう必要な意見を申し上げてまいりたいというふうに考えております。  次に、須古川下流域の浸水対策についてでございます。  須古川には現在、県の地盤沈下対策河川事業によりまして、毎秒五トンの排水能力を持つ排水機場を設置しておりますが、近年、家屋や道路の浸水被害が発生するなど、須古川下流域の浸水被害の解消には至っていないということは、県としても十分承知をいたしております。  六角川の抜本的な治水対策については、先ほども申し上げたとおり、現在国で検討を進められておりますが、その実現にはやはり長い年月と費用がかかるということから、応急的な対策として、以前、他の河川で使用しておりました可搬式のポンプ、これは毎秒〇・六トンでございますが、これを昨年度、応急対策として設置をさせていただいているところでございます。  しかしながら、もともとこの〇・六トンというのは規模が小そうございます。須古川流域においては、流域外からの水が集まりまして、六角川上流部におけるポンプ排水の影響もあって、以前と比べて自然排水がなかなかきかなくなったといったような声も上がっております。  こうしたことから、県としては、この須古川のポンプを増設する必要があるということで、現在国とも協議を重ねながら、その準備を進めているところでございます。  以上でございます。 18 ◎鵜池生産振興部長 登壇=私のほうからは、「さがびより」の生産対策につきましてお答えをさせていただきます。  「さがびより」につきましては、一昨年から本格的な栽培に取り組んだところでありますが、当初の市場評価がその後の銘柄確立に大きな影響を及ぼしますことから、県で定めた栽培指針に基づくきめ細やかな管理の徹底に努めてきたところでありまして、また、生産者みずからが厳しい基準を設けて出荷に取り組まれてきたところでもあります。その結果、平成二十二年産米の食味ランキングにおきまして、最高ランク特Aの評価を受けたところでございます。  こうした中、三年目を迎えます今年産は、昨年産よりさらに約六百ヘクタール多い、五千ヘクタール程度の作付を見込んでおりまして、今回の特Aという高い評価を落とすことがないよう、引き続きおいしくて品質のよい米を消費者にお届けしていくことが大変重要であるというふうに考えております。  このため、まず栽培技術につきましては、これまでの課題や成果を踏まえた栽培マニュアルを策定いたしまして、肥料のやり方や病害虫対策などの一層の徹底を図っていくこととしております。  また、こうした技術の指導に当たりましては、地域や気象状況に応じたきめ細やかな栽培管理が徹底されるよう、引き続き、県段階に、県やJAの米の専門家から成ります技術指導チームを設置するとともに、各地域におきましては、「さがびより米(まい)スター」やJAの「さがびより」技術指導員、そして県の普及指導員が緊密に連携しながら、すべての栽培農家の方々を対象にした栽培講習会や現地研修会などを開催していくこととしているところでございます。  さらに出荷に当たっても、引き続き、おいしさの目安となるたんぱく質含有量の上限や、一等米に限定するなどの厳しい基準を設け、その基準を満たしたものだけを、統一した米袋で販売するという、本県では初めての取り組みを引き続き行い、品質の確保と保証に努めることといたしております。  このような取り組みを生産者はもとより、関係機関・団体が一体となりまして積極的に推進をしていきますことにより、これまでに得られた市場評価などをさらに向上させ、「さがびより」が本県を代表する銘柄米となるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上、お答えさせていただきます。
    19 ◎小野交通政策部長 登壇=私のほうからは、九州新幹線西九州ルートに関連します長崎本線の維持管理についてと、有明海沿岸道路の整備についてお答えさせていただきます。  まず、九州新幹線西九州ルートに関連します長崎本線の維持管理に関する協議についてということでございますが、九州新幹線西九州ルート開業後の長崎本線肥前山口-諫早間の取り扱いにつきましては、平成十九年十二月に長崎県、佐賀県、それからJR九州の三者で基本合意を結んでおります。その中で、佐賀県及び長崎県がJR九州から鉄道施設を買い取って維持管理し、JR九州が二十年間列車を運行する計画となっております。  また、その基本合意の中では、JR九州が「新幹線開業までに肥前山口~諫早間の線路等の設備の修繕を集中的に行った上で、佐賀県・長崎県に有償で資産譲渡を行う。」となっております。  議員御指摘のとおり、平成三十年ごろとされております西九州ルートの開業までに八年程度というふうになっておりまして、長崎本線につきましては、六角川の橋梁など大規模な施設もございます。こういったことから、まずは長崎本線の肥前山口-諫早間の施設の状況を確認することが必要だというふうに考えておりまして、できるだけ早くJR九州と協議をしていきたいと考えております。  さらに、その中で三者基本合意に基づきまして、西九州ルート開業までにJR九州の集中的修繕が適切に図られるように、今後の三者の協議による中でJR九州に強く求めていきたいと考えております。  続きまして、有明海沿岸道路の整備のうち、六角川以南の道路構造についてでございます。  議員御指摘のように、住ノ江橋は幅員が五・九メートルと狭くて、通行に支障を来しております。そういったことから、国道四四四号のバイパス機能を有する佐賀福富道路をできるだけ早期に供用させることが必要だと考えております。  このようなことから、県といたしましては、去る二月十日に福富地区におきまして、盛り土形式を基本とした道路計画について、地元の皆様に御説明をしております。  六角川以南につきましては、六角川以北よりも軟弱層がさらに深いことを地質調査等で確認をしておりまして、工事に当たりましては、まずは地盤の沈下や地すべりに対する挙動を確認する必要があるため、福富地区で試験盛り土を行うことについても同時に説明をしております。その際に、地元の方々から盛り土に対してさまざまな御意見をいただいております。  また、昨日二十二日ですが、試験盛り土予定地の地権者の方々にも説明を行っておりまして、用地を御提供いただけるということであれば、平成二十四年度から試験盛り土に入っていきたいと考えております。  今後とも、試験盛り土の結果等を見ながら、地元の方々の御理解と御協力が得られるように、丁寧に説明をしていきたいと考えております。  続きまして、六角川橋梁の取り組み状況と今後の見通しですが、六角川にかけます橋梁につきましては、現在、嘉瀬川を渡る橋梁をかけておりますけれども、これよりも相当規模が大きいということで、着工から完成までには五年程度の期間を要するのではないかと考えております。  これまで、各種の条件を整理いたしまして、橋梁の形式や施工方法を決定するための予備的な設計を行っておりまして、橋梁の建設に密接に関係いたします芦刈漁協及び福富漁協と、平成十六年以降、協議を重ねてきております。  今後は、引き続き漁協関係者との協議を行い、橋梁の構造や工法について御了解を得るとともに、河川管理者等との協議も進め、早期に橋梁の詳細設計に着手したいと考えております。  橋梁の着工の時期につきましては、芦刈インターから福富インター間の用地取得や橋梁前後の改良工事の進捗状況を踏まえまして、適切な時期に着工していきたいと考えております。  以上、お答えします。 20 ◎稲富康平君 登壇=それでは、子ども手当についてちょっともう一回質問します。  二月十一日の朝日新聞に、「給食費や保育料だけでなく、修学旅行の費用や教材費も子ども手当から天引きされることになりそうだ。厚生労働省が十日にあった自治体向け会議で、検討する方針を示した。保護者同意を前提としているが、原則月一万三千円の手当は、ほとんど手元に残らない」と書いてあるわけですね。  ということは、配る必要なかわけですよ。国はもうこがんことまで言いよって、手元に残らないと書いてある。新聞はうそは書かんと思います。だから、これはもう多分予算は通らんと思いますけどね。(笑声)ただし、ここのところは反対なら反対とぴしっと言うて、佐賀県も子ども手当については予算をつけんほうがよかですよ。  それは確かに、全部で育てようということは十分わかって今言いよるわけです。私も五人子供を育てていますから、手当は何ももらわんで五人ぴしっと育てていますよ、大学全部出ていますから。その辺はわかって言いよっけんですね。やっぱりもうやる必要がないやつはやらんほうがいいんじゃないかと。そして、手厚くするやつはするということで、もうそろそろ腹を決めたほうがよかですよ。予算は通らないという感じもしますので。  それともう一つ、新幹線の関係で鉄道の話をしました。沿岸道路の話もしました。これは新幹線同意をすれば、地域振興で沿岸道路も先にぱーっとつくりますよという話があっていました。今何もそういう話はありません。  我々の地域は反対はしていません。ならば、おくれるならおくれる、その話をぴしっとしてもらわにゃいかんですよ。よか話だけ先言っとって、賛成して、今になったらおくるっばい、おくるっばいと、いつ来るかわからんごたっ話でしょう。もう少しその辺は、マニフェストの話がさっきいろいろあっていましたけれども、いい話をした、結果的にできない、できないときにはこういうことでできませんよと、それはぴしっと言うてもらわにゃいかんと思います。  それと、多分、六角川の鉄橋についても、新幹線は通りました、鉄橋は落っちゃくっごとなりました、第三セクターでしてくんさいよて、そういう話になるんじゃないですか。  私の記憶が正しければ、長崎県は応分な負担をしますので存続をしてぴしっとあそこにという話があっていました。応分な負担というならば、長崎県に早く応分な負担をさせにゃいかんわけです。ですからその辺も、応分な負担をすると長崎が言うとるわけやけん、存続させるためにも応分な負担をすると言うたなら、やっぱり早く長崎との協議のテーブルに着いて、ぴしっと話を進めてほしいなというふうに思う。新幹線に私反対じゃなかとですよ。賛成をして、ちゃんと粛々と言っているわけですから。  このことは、一つは、教育庁にも関係あると思いますけれども、隣接学区からの高校入学枠が七%から二〇%になったと。生徒がクロスするわけですよ。結構今汽車を使っているという認識も持って、その辺もぴしっと解決策を、早くテーブルに着くように、あと八年しかありません。新幹線が通るまでに鉄橋もつくってください。それはよろしくお願いしておきます。 21 ◎副議長(稲富正敏君) 答弁要らんと。 22 ◎稲富康平君(続)=答弁は要る。(発言する者あり)鉄橋をつくってくださいやけん、答えんばいかんさい。(「人の命がかかっています、鉄橋は」と呼ぶ者あり) 23 ◎古川知事 登壇=稲富議員の子ども手当についてのお尋ねでございますが、私どもが入手しております平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案の概要の、これは厚生労働省の説明ペーパーでございますけれども、そこの中に、「保育料を子ども手当から直接徴収できるようにする。また、学校給食費等については、本人の同意により子ども手当から納付することができる仕組みとする。」、このように書いてございまして、そのことが新聞記事になったのではないかと考えております。  私どもは予算編成をするに当たりまして、国の予算編成の動向、そして税制改正の案の動向、こうしたものを前提にして、県の予算をこれまで組んできております。どの法案は通り、どの法案は通らないということを予算編成の段階で決めて議会に提案するということは、正直言って非常に難しい部分がございます。  今回は、たまたまでございますけれども、骨格予算でございましたので、例えば、一括交付金のように中身がわからないものについては、いわば六月補正に回すということが可能でございましたけれども、この子ども手当のように四月一日時点でいろいろな認定行為をしていかなければならないものについては、どうしても今政府が予定しているものを前提に組まざるを得なくなったというところでございますが、議員からも御指摘ありましたように、私も、やがてはそうして本来支払っていかれるべきものにあらかじめ充てておくようなやり方というのも十分あるなと思っております。  これは自民党の政務調査会の厚生労働部会がまとめられた、自民党の目指す子育て支援策というものの中にもそういったものが含まれていると考えておりまして、こうした子供に対する支援をしていこうということについては、自民党も民主党もそれほど大きな隔たりがないのではないかと私は思っております。  一番不安に思っておりますのが、これがいたずらに成立しませんと、二十三年度の分が成立しませんので、じゃ、二十二年度の分で払えばいいのかというと、実は二十二年度の分は二十二年度だけの特例でできた法律でございましたんで、二十三年度の四月一日時点で今の法律案が成立していませんと、実は子ども手当を全く支給できなくなってしまうんですね。  そうすると、どうなるかというと、児童手当だけが復活をいたします。そして、これはまた税制改正がどうなるかということにもよるんですけれども、いろんな控除の廃止というやつは動いていって、子ども手当は全く動かないというふうなことになってしまいます。  さらに、六月に実際の子ども手当の給付というのは行われることになるんですけど、その六月までに、今度は各市町村が持っているシステムを全部変えないといけなくなるんですね。対象人員から額から全部違ってきますんで、そういったことを考えると、この交付税法も大変なんですけれども、この子ども手当をどうしていくかということも非常に大変なことになっていってしまいます。  一方で、私どもはかつて子育て応援特別手当という手当が麻生政権のときに予算化されて、それを実現するためにこの議会にも出していたと思うんですけれども、それが政権交代によってうまくできなくなったみたいなところもございます。  実際に子育て支援の基本は市や町でやっているわけでありますけれども、現場を抱えている自治体としてみると、それぞれの政党間の議論は議論としながらも、こうした現場の自治体に物すごい負担と変更を強いるようなことについては、何とかお考えをいただけないかというのが正直なところでございます。  この子供に対する支援のあり方については、議員と考え方を同じくするところもございます。子ども手当については、これから国と地方の協議の場やいろんな場を通じて地方の意見を聞くとされておりますので、我々としても、こうしたしっかりとした意見を述べてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 24 ◎小野交通政策部長 登壇=私のほうから、新幹線の応分の負担の話と、それから六角川の橋梁、それから有明海沿岸道路についてお答えさせていただきます。  先ほど申しました平成十九年十二月の三者基本合意を受けまして、平成二十年四月二十五日に開業後の維持管理の経費を佐賀県と長崎県が一対二の割合で負担するということで合意をしているところでございます。  それと、六角川の橋梁につきましてですが、これは河川の整備計画によりますと、規定の断面に達していないので、将来的には何らかの対応が必要だというふうなことになっておりますけれども、現時点では今暫定計画だというふうなことで、ちょっと当面かけかえの予定がないというようなこともあっております。  改めて我々としては、河川の断面を侵しているということもございますので、河川を管理しております武雄工事事務所、それからJR九州、こういったところと協議をしながら、この対応については検討していきたいというふうに思っております。  それから、有明海沿岸道路につきましては、地域振興ということで早目にというふうなお話をしておりましたけれども、最終的に鹿島市等の同意がいただけなかったということで、通常ペースに戻ったというふうな形になっております。  ただ、そうは言いましても、有明海沿岸道路につきましては、県の広域幹線ネットワークを形成しまして、県土の一体的な発展に重要な道路であるということは認識しておりまして、今後とも早期供用に向けて重点的に取り組んでいきたいと考えております。  以上、お答えいたします。 25 ◎峰 達郎君(拍手)登壇=自由民主党の峰達郎でございます。  大変気だるい時間でございますが、一生懸命頑張りますので、御清聴お願いいたします。  今回の一般質問は、四点通告いたしております。  まず一番目の、夢の事業というか、古川知事の夢の事業というか、そういった言い方をさせてもらっていますが、国際リニアコライダー計画の推進について質問いたします。  昨年六月の、幾多の困難を乗り越えて、小惑星のイトカワから地表サンプルを持ち帰るという世界初の快挙をなし遂げた小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還は、日本じゅうに大きな夢と感動を与えました。また、昨年十一月には、県立宇宙科学館におきまして、九州で初めて行われました、この「はやぶさ」により分離されたカプセルの展示には、四日間で約二万人を超える人が訪れたところでございます。もちろん私も行ってまいりました。  そしてまた、最近では宇宙飛行士の若田光一さんが国際宇宙ステーションのコマンダーというんですね、船長に就任されたそうですが、このニュースは国民に大きな誇りと勇気を与え、私は改めて科学というものが持つ──科学はサイエンスの科学でございます。ケミストリーじゃなくて、化学じゃなくサイエンスの科学でございますが──というものが持つ魅力や科学技術分野での日本の貢献が、日本の存在感を世界に示す大きな力になることを実感したところでございます。  私は、資源の乏しいこの日本としては、科学技術の振興、そして人材育成のための施策の充実を図っていくことが重要だと考えております。中長期的な展望のもとに、着実に取り組んでいく必要があると私は考えております。  科学といえば、これまでこの議場でも何度か質疑をさせていただいたところでございますが、国際リニアコライダー計画という基礎科学の大規模な世界研究所の設立を目指す国際協力プロジェクトが、世界の研究者の間で進められており、今議会にも関連予算が提案されております。  私は、この予算化されたものを見まして、いよいよかなと、またわくわくする気分にもなりました。それで今回質問するわけでございますが、このプロジェクトは宇宙誕生のなぞを探り、素粒子物理学を飛躍的に発展させる可能性と期待を担ったプロジェクトであり、全長三十キロメートルから五十キロメートル、直線型の地下トンネル内で粒子の加速を行い、そして宇宙誕生直後の状況を実験ホール内に再現しようというものであると聞いております。  大変難しゅうございますが、光速近くまで加速された電子と陽電子が正面衝突することによって、さまざまな粒子が生成するということでございます。これらの粒子を観測することによりまして、どのようにして、そしてなぜ宇宙が生まれ、物質が生まれ、人が生まれたのかという、人類が長年抱いてきたなぞの解明に臨むのがこのリニアコライダー計画であると聞いているわけでございます。  このプロジェクトの国内候補地の一つに本県と福岡県にまたがる脊振山系の地域が挙げられているところであり、県ではこれまでも福岡県と共同でノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊先生を会長とする先端基礎科学次世代加速器研究会を設置され、国際リニアコライダー計画や基礎科学に対する県民の関心や理解を図る取り組みなどが行われてきたところでございます。  私も実は駒宮先生とお会いさせていただき、そしてまた、この研究会にも傍聴させていただいたわけでございますが、やはり参加しておりまして、なかなか難しい内容ではございますが、やはりこの計画の壮大さというのはわかります。そして、この九州における本当大きな夢の事業なのかなという思いをしているところでございます。  この壮大なプロジェクトが脊振山系地域に立地すれば、佐賀県にも大きな効果が見込まれる、そのために県民の理解を得ながら、ぜひとも脊振地域に立地するように取り組んでいただきたいと私は考えているところでございます。  そこで、次の三点について知事に質問いたします。  まず一点目でございますが、地域にもたらす効果についてでございますが、この国際リニアコライダーが脊振地域に立地された場合、どのような波及効果があると考えられているのかが一点です。  そして二点目に、この国際リニアコライダー計画は、現在どのような状況にあるのかが二点目です。  そして三点目ですが、先ほど言いましたように、県民の理解を得ることが大切であると思いますんで、やはり県民の理解を得るための取り組みについて質問いたしますが、脊振地域への立地を実現するためには、国際リニアコライダー計画に対する県民の理解が一番必要なわけでございますが、この基礎科学というのは一般になじみが大変薄いと私は思っております。ですから、県民の理解や関心を高めていくことは大変難しくといいますか、容易ではないと思うわけでございますが、そこで、知事は県民の理解をいただくためにどのように取り組んでいかれるのか、以上三点、答弁をお願いします。  そして、二番目のもうかる農水産業の推進について質問いたします。  農業や水産業は、本県の基盤産業でありまして、食料の安定供給や国土保全の観点からも重要な産業であると考えております。しかしながら、最近の農業や水産業を取り巻く情勢は、農水産物価格が低迷する中、燃油や肥料、配合飼料等の資材価格が高どまりするなど、大変厳しい状況にあります。  こうした中、国では、昨年三月に策定された食料・農業・農村基本計画におきまして、生産コストの縮減や高付加価値化、さらには農商工連携や六次産業化の推進などにより、農業や農村の再生を図っていくとされております。  こうした中、例えば、農業分野では、機械利用組合や集落営農などの機械の共同利用による低コスト化などに取り組まれるとともに、農産物直売所、あるいは直販による顔の見える販売や、地産地消レストランや農業体験教室などの消費者との交流の促進ですね。そして、さらには地元の食材を使ったアイスクリームやプリンなどのオリジナル洋菓子や、しょうちゅう、日本酒などの開発による高付加価値化などの取り組みも進んでおります。  また、水産分野におきましては、凍結、解凍しても素材の鮮度や味、風味などが新鮮という新たな技術である誘電フリーザー──要するに昨日の質問にありましたCASシステムですね──を活用した水産加工に取り組むことにより、養殖魚の価格安定と販路拡大にもつながった事例もあるというふうに聞いております。  こうしたことから、今後とも、生産者の所得を確保して、経営を安定させていくためには、やはり低コストで高品質な農水産物の生産はもとより、こうした農水産加工品づくりや、地域資源を生かした高付加価値化などにも取り組み、生産者がもうかる農水産業を一層推進していく必要があると私は考えているわけでございます。  そこで、県としては今後、このもうかる農水産業の推進に対してどのように取り組まれていこうとしているのか、これは生産振興部長に質問をいたします。これが二点目です。  続きまして、三番目です。佐賀唐津道路の整備促進について質問いたします。  県では、県土の一体的な発展を目指すとともに、やはり福岡や長崎などの隣県との交流・連携を図るために、西九州自動車道、有明海沿岸道路、そしてこの佐賀県の背骨とも言えます佐賀唐津道路などの広域幹線道路ネットワークの整備を重点的に進められており、これらの道路整備は、地域間の連携、交流を促進し、企業進出による雇用の確保や観光客の増加による地域活性化など多くの効果が期待されているというふうに認識をしております。  特に佐賀唐津道路は、県都佐賀市と第二の都市であります唐津市を結ぶ佐賀県の背骨に当たる重要な道路であるわけでございます。そしてまた、唐津市を含む県西北部からの有明佐賀空港や新県立病院へのアクセス道路でもあることから、早期整備が重要であると考えるわけでございます。  国道二〇三号のバイパスとして整備をされている佐賀唐津道路は、これまでに、多久市や唐津市厳木町におきまして、東多久バイパスや厳木多久有料道路、そして、現在整備が進められている厳木バイパスの一部区間が供用され、一定の整備効果が上がっていますが、公共事業の縮減などの現状を踏まえると、全線の整備にはまだまだ相当の時間を要すると危惧と申しますか、心配をしているところでございます。  そこで、次の三点について交通政策部長に質問いたします。  まず一点目、厳木バイパスについてでございます。  佐賀唐津道路のうち、この厳木バイパスにつきましては、一部区間が供用され、残る区間についても整備促進が進められていますが、現在の進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか、一点目です。  二点目、多久-佐賀間につきましてです。  この佐賀唐津道路の中で、唐津-相知間と多久-佐賀間につきましては整備に着手されておりませんが、この多久-佐賀間につきましては、昨年、都市計画決定に向けての手続が進められており、事業化に向け動き出した状況と聞いております。この多久-佐賀間の現在の進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか、二点目ですね。  そして三点目、唐津-相知間についてです。  この唐津-相知間につきましては、環境影響評価法に基づく手続について、以前、方法書の公告縦覧が行われたと聞いておりますが、その後の具体的な動きがなく、現在のところ整備に向け動き出す状況は見えていないというふうに私は思っておるわけでございます。  ただ、有明佐賀空港の整備に着手する際ですね、よく私の先輩から聞いたわけでございますが、この佐賀唐津道路は有明佐賀空港の開業に間に合わせるというふうな約束だったんだということを先輩たちから聞いているわけでございます。  このような状況を踏まえて考えますと、この多久-佐賀間の整備と並行して唐津-相知間の整備についても事業を進めていく必要があると私は考えるわけでございますが、この唐津-相知間の整備について現在の状況はどのようになっておるのか、そしてまた、今後どのように進められていくのかを質問いたします。  以上、三点ですね。  問四、四番目の質問でございますが、これは二丈浜玉道路及び厳木多久道路の早期無料化についてでございます。  西九州自動車道は、福岡から唐津インターまでの間が整備されておりますが、平成二十三年度に唐津市の北波多インターまで、そして平成二十六年度には伊万里市の谷口インターまでの供用開始を目標に今事業を進められていると聞いております。  唐津市や伊万里市など佐賀県西北部の地元企業や住民の方たちは、この西九州自動車道が整備されることによりまして、地域間の連携、交流が促進をされ、企業進出による雇用の確保や、福岡都市圏からの観光客が増加することを大変期待しているわけでございます。  このような中で、西九州自動車道の一部区間として利用されているこの二丈浜玉道路につきましては、通行料が普通車で三百六十円と、利用者には非常に割高に感じるところでございます。  そしてまた同様に、佐賀市と唐津市を結んで長崎自動車道等からの入り込みも期待されるこの佐賀唐津道路のうち、厳木多久道路につきましても、普通車が二百円の料金でございまして、聞くところによりますと、この料金徴収期間はまだ十数年残っていると聞いておるところでございますが、このことが人流、人の流れとか物流の障壁の一つになっているというふうに私は考えているところでございます。  また、佐賀県商工会議所連合会や唐津の経済協議会からは、地域経済の活性化対策として、この二丈浜玉道路及び厳木多久道路の早期無料化の要望が出されているとも聞いております。  私といたしましても、県西北部の地域振興のためには、二丈浜玉道路及び厳木多久道路の早期無料化が必要であると考えるわけでございますが、どのように考えていらっしゃるのか、これは交通政策部長にとりあえず質問いたします。  以上、四点でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手) 26 ◎古川知事 登壇=峰達郎議員の御質問にお答えします。  国際リニアコライダー計画について、まず地域にもたらす効果についてのお尋ねでございます。  国際リニアコライダー研究施設が脊振地域に立地することになれば、世界の頭脳がいわば九州に集まることになります。九州が世界の知の拠点となることはもとより、新しい産業の集積や技術革新など、九州全体に大きな波及効果をもたらすことが期待されます。  また、我が国には数少ない、世界の中での唯一の知の集まる施設となることによりまして、地域に暮らす子供たちが、世界最先端の科学や世界的な研究者を身近に感じる機会を得ることができて、それによって、基礎科学や理科の分野における学習意欲が高まる、また県民のこうした分野に対する関心が高まることも期待をしております。  平成二十年六月に私が、スイスにございます、現在の世界最大の素粒子研究施設でありますセルンに行って話を聞いたときにも、年間八千人を超える研究者が訪れて、ここで研究をしているということでございました。  現在の予定によりますと、リニアコライダーの研究施設には、常に五千人以上の世界じゅうから集まった研究者、そして技術者が数十年にわたって研究活動を行うこととされております。  脊振地域に立地をすれば、佐賀県と福岡県の県境付近に研究者やその家族が暮らしてにぎわう新しい国際空間が誕生することにもなりますし、こうしたことに要する事業そのものが、地域経済へも大きな波及効果を期待できる部分もあると考えております。  次に、国際リニアコライダー計画の現状についてでございます。  この国際リニアコライダーを、世界じゅうのどこに一カ所決めるのかということについては、国際的な研究者によって組織された国際将来加速器委員会を中心に推進されておりまして、今年度中に建設地として満たすべき条件が示される予定になっております。その後、委員会の下部組織に当たります国際共同設計チームにおきまして、二〇一二年末を目標に、条件を満たす候補地ごとの詳細な工学設計が行われることになっております。
     こうした中、国内におきましては、昨年九月に行われました日本物理学会において、日本におけるリニアコライダーの技術開発の拠点であります大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、通称KEKと申しますが、ここから九州の脊振山地と東北の北上山地が日本における国際リニアコライダー計画の有力な候補地であるということが発表されました。  国内の候補地の一つであります脊振地域の地元の佐賀大学、九州大学におきましては、昨年十月、九州大学・佐賀大学ILC推進会議が設置をされまして、脊振地域における国際リニアコライダー計画について具体的な検討が進められております。  県としては、福岡県、佐賀大学、九州大学と連携して、また九州の経済界の協力も得ながら、国際共同設計チームが二〇一二年に設計を行う候補地となるように取り組んでいくことになります。  次に、県民理解を得るための取り組みについてでございます。  リニアコライダーの脊振地域への立地のためには、基礎科学やリニアコライダー計画について県民の理解を深め、計画に関心を持つ人を広げていくことが重要になると考えております。  こうした基礎科学や国際リニアコライダーの理解促進については、議員からお話がございましたが、福岡県とともに、ノーベル賞の小柴昌俊先生を会長とする産学官民で構成される先端基礎科学次世代加速器研究会を設置しまして、その中で素粒子物理学についての勉強を重ねています。  また、第一線の研究者による高校生を対象とした基礎科学の教室を開催したり、物理学のすばらしさを次世代の子供たちに伝えていくことができるように、高等学校の物理教師を、先ほど申し上げた素粒子物理学の国際研究拠点でありますセルンに派遣したりもしてきております。  基礎科学というものは、真理を探究する学問でございます。なかなかなじみがたいというところが現実でもございますが、興味や関心を持つ方をふやしていくため、しっかりとした取り組みをこれからも続けてまいりたいと思います。  先日、「はやぶさ」の講演会を行いましたのも、実はこの一環でございます。川口淳一郎教授による講演会をしたところ、大変多くの方々から聴講の希望がございました。  このイトカワに行って帰ってくるというプロジェクトも、そのこと自体が何か具体的に国民生活に直接何らかの効果をもたらすというものではないながらも、七年にも及ぶ「はやぶさ」の航海というものは、国民に大きな夢と期待を抱かせ、また、子供たちに将来こうした分野で勉強してみたいという気持ちも抱かせたと考えております。  こうしたことを通じて、直接生活に役に立つということではないけれども、非常に大事な学問や研究というものがあるということ、そうしたものが身近な地域に立地することによって、そうした学問そのものを子供たちに身近いものに感じていただき、勉学に対する意欲を持っていただきたいと思っております。  これから県としては、国際リニアコライダーが脊振地域に立地した場合にどのような都市が形成されるのかを示す都市構想を策定してまいります。あわせて、そうしたことによる経済波及効果を算定調査していきます。そして、立地による効果を具体的なイメージで県民の方に示すこともやってまいりたいと存じます。  直接の効果、そしてまた、この基礎科学の持つ意味、こうした硬軟取りまぜたものを県民にしっかりとお示しして、県民の理解が深まるように努めてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 27 ◎鵜池生産振興部長 登壇=私のほうからは、もうかる農水産業の推進につきましてお答えをいたします。  厳しさを増します農業や水産業情勢の中で、本県の農業や水産業が持続的に発展していくためには、これからもその振興にしっかりと取り組み、生産者の方々の所得が確保され、将来にわたって安心して経営ができるように取り組みをしていかなければならないと考えております。  このため県におきまして、まず農業につきましては、安全・安心で競争力のある農産物づくりなどを基本としながら、まずは佐賀牛やハウスミカン、タマネギ、イチゴなどの高品質化等によるブランド力の向上、冬どりタマネギや特大ショウガなどの新しい品種の導入、さらには地産地消の推進や、国内外での販売促進などの取り組みを進めているところでございます。  さらには議員の御指摘にもありましたように、新たな取り組みというふうなことから、高付加価値化の取り組みを一層進めていくために、農家が栽培いたしました農産物をみずから加工したり、産直や通販で販売する取り組み、また地元の食材を活用した農家レストラン、さらには観光業と連携した農家民泊や農業体験など、農家による新たな農業ビジネスの展開、「さがほのか」の日本酒ベースのリキュールや、レモングラス紅茶などのような他産業と連携した新商品の開発や販路拡大などにも一層力を入れていくことといたしております。  また、水産業につきましては、水産物のなお一層の高付加価値化向上を図るために、小型のアジやイカ、エビなどを使いました「海のかりんとう」、サバの薫製品であります「鯖スモーク」など、地元の魚介類を活用した加工品の開発、販売価格が高く、安定的に低コストで生産できるアカガイやトリガイなどの新たな養殖魚種の開発、カキのオーナー制度や新鮮な魚介類のインターネットによる販路の拡大、あるいは直売所での販売促進、これらの取り組みを積極的に展開していくこととしております。  さらには、来年度、新たな急速冷凍技術を活用した水産物加工処理施設を整備いたしまして、大量に漁獲されたイカなどの水産物の加工品や冷凍品など付加価値の高い製品を生産、販売する新たな取り組みを支援することといたしております。  今後とも、これらの取り組みを、生産者の方々を初め、関係の市町、あるいは関係団体、さらには民間企業とも連携しながら、積極的に推進をすることによりまして、生産者の所得の向上につながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 28 ◎小野交通政策部長 登壇=私からは、佐賀唐津道路の整備状況と、それから二丈浜玉、厳木多久の有料道路の無料化についてお答えさせていただきます。  まず、佐賀唐津道路の整備についてでございます。  一点目は、厳木バイパスについてでございますが、厳木バイパスにつきましては国土交通省において事業が進められておりまして、これまでに四・三キロメートルの区間が暫定二車線で供用されております。残る岩屋インターから長部田インターの二キロメートルの区間につきましては、平成二十五年度供用を目指して、橋梁や改良の工事が進められております。  また、二月九日に国が公表しました二月時点における平成二十三年度事業計画の中におきまして、岩屋インターの唐津方面への乗りおり用のランプ部につきまして、平成二十六年度供用予定とされておりまして、一定のめどがついたものと考えているところでございます。  次に、多久-佐賀間についてでございます。  多久-佐賀間につきましては、現在、東多久バイパスから有明海沿岸道路までの全線の一体的な都市計画決定をするために、国と県で関係市の協力を得まして、その手続を進めているところでございます。昨年二月に都市計画の原案について、佐賀市、小城市、多久市で説明会を行っております。さらに、三月には公聴会を開催しております。  説明会及び公聴会におきまして、計画ルートによる集落の分断、それから騒音、景観、日照などの環境に対する懸念、農地の斜め横断などについての意見が出されております。  こうしたことから、国や関係市と連携を図りながら、意見の多い地区を中心に十二回の個別の説明会を開催いたしまして、計画ルートに対する意見や懸念に対し丁寧な説明を行い、地元の方々からの理解が得られるように努めているところでございます。  今後とも、都市計画決定に向けまして、地元住民の方々の御意見に十分配慮し、御理解が得られるよう引き続き丁寧な説明を行っていきたいと考えているところでございます。  次に、唐津-相知間についてでございます。  唐津-相知間につきましては、平成十三年十一月の環境影響評価法に基づく方法書の公告縦覧の後、環境に関する現地調査を実施し、その後、将来交通需要の見直しやコスト縮減等を踏まえた道路規格や道路構造、ルート検討などを実施してきたと聞いているところでございます。  県といたしましては、唐津-相知間につきましても佐賀唐津道路を構成する道路の一部でございまして、本県の一体的な発展のためにはその整備が必要であると考えております。  こうしたことから、県といたしましては、唐津-相知間の事業化に向けた検討が促進されますように、「国道二〇三号佐賀・唐津幹線道路整備促進期成会」と協力しながら、国に働きかけていきたいと考えております。  二丈浜玉道路及び厳木多久道路の早期無料化についてでございます。  有料道路事業につきましては、国や民間金融機関からの借り入れと県などの出資金から建設資金を調達いたしまして、料金収入によりまして借入金の償還、道路の維持管理、料金徴収業務等を賄うこととしておりまして、両路線とも三十年間料金徴収を行い、借入金や出資金の償還を行う計画となっております。  佐賀県道路公社の平成二十一年度末の両路線の借入金の償還状況でございますが、二丈浜玉道路では県の出資金七億八千万円相当分が確保できていない状況にございます。また、厳木多久道路につきましては、借入金約四十五億円が未償還であるほか、県の出資金約四十億円相当分も確保できていない状況になっております。  さらに、二丈浜玉道路につきましては福岡県にまたがっているということもございまして、福岡県道路公社や福岡県との調整も必要でございまして、佐賀県側だけでは決められないというふうな事情もございます。  いずれにしましても、無料開放するためには県として新たな財政負担や出資金の放棄などを検討する必要がございまして、昨今の財政事情が厳しいことを考えますと、無料開放の前倒しにつきましては難しいものではないかというふうに考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 29 ◎副議長(稲富正敏君) 暫時休憩します。     午後二時五十分 休憩 平成二十三年二月二十三日(水) 午後三時二十分 開議  出席議員    三十九名     一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     三〇番  宮 崎 泰 茂     二番  藤 崎 輝 樹     一六番  峰   達 郎     三一番  武 藤 明 美     三番  徳 光 清 孝     一七番  土 井 敏 行     三二番  牛 嶋 博 明     四番  坂 口 祐 樹     一八番  桃 崎 峰 人     三三番  石 井 秀 夫     五番  宮 原 真 一     一九番  石 倉 秀 郷     三四番  留 守 茂 幸     六番  原 田 寿 雄     二〇番  伊 藤   豊     三五番  篠 塚 周 城     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三六番  原 口 義 己     八番  田 崎 信 幸     二三番  岩 田 和 親     三七番  吉 田 欣 也     九番  石 井 久 起     二四番  藤 木 卓一郎     三九番  石 丸   博    一〇番  内 川 修 治     二五番  福 島 光 洋     四〇番  木 原 奉 文    一一番  末 安 善 徳     二六番  中 倉 政 義     四一番  伊 東 猛 彦    一二番  太 田 記代子     二七番  竹 内 和 教    一三番  大 場 芳 博     二八番  稲 富 正 敏    一四番  古 賀 善 行     二九番  稲 富 康 平 欠席議員    一名    三八番  堀 田 一 治 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    城  野  正  則          くらし環境本部長     古  谷     宏          健康福祉本部長      平  子  哲  夫          農林水産商工本部長    飛  石     昇          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       小  野  龍  太          会 計 管 理 者    山  口  和  之          公 安 委 員 長    山  口  久美子          警 察 本 部 長    鈴  木  三  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    宮  地  茂  喜 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          総  務  課  長   岩  瀬  茂  生          議事調査課長       蓮  把  邦  彦          政務調査室長       野  中  博  人          総務課副課長       向  井  久美男          議事調査課副課長     毛  利  明  彦          議事調査課議事担当係長  芦  村  耕  介          同    議事担当主査  石  井  健  一         ○ 開     議 30 ◎議長(留守茂幸君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 31 ◎峰 達郎君 登壇=再質問をさせていただきます。  国際リニアコライダーは、知事、わからないことは大変多いんですけどね、やはり僕は夢のある事業と思っておりますからどんどんやっていただきたいし、北上に負けないようにぜひ九州にいただきたいと思います。  そして、もうかる農水産業は、部長さんはもう御理解されておると思うんですが、やはりよくおっしゃるのが、民間事業者が先進的なこと、先ほどCAS冷凍のことをちょっと言わせていただきましたけど、例えば、マイナス五十度、六十度になってくると、魚をさばけない私たちでも電子レンジ等々で本物を釣ったときのような新鮮さでできるんじゃないかと、そういったふうな付加価値をつけていただけることが大変期待されているんですね。でも、事業者という枠組みがどうしてもネックになっているんだよなということをよくおっしゃるんですね。  でも、そういったことをやってみたら、絶対次の時代が来るような気がするんだというような思い、勢いを持っていらっしゃるので、ぜひそういった意味で、六次産業とか商工連携ということで言わせていただいたわけですが、そのところの取り組みをぜひお願いしたいと思っております。
     それと、道路に関しては、ちょっと納得がなかなかできなかったんですが、まず、厳木バイパス、平成二十五年ということでございますが、あと三年もかというふうな思いでございますけど、確かに今、進捗しておりますので、若干状況が見えております。すると、少し気は落ちつくんですよね。でも、やはり先ほど言いましたように、私たち県西北部の者にとっては、やはり大変大事な佐賀県の背骨の道路なんだというふうに思っておりますんで、やはりやっていただきたい。  一つわからないのが、唐津-相知間は平成七年に調査区間の指定を受けていただいております。そして、多久-佐賀間は平成十年の十二月に調査区間に指定されておりますね。そして、唐津-相知間は平成十三年の十一月に環境影響評価法に基づく方法書の公告縦覧が行われておりますよね。そして、多久-佐賀間は平成十八年三月に、先ほど言いました環境影響評価法の方法書の公告縦覧を行うと。  やはり唐津-相知間が全部先行していっているのにもかかわらず、今回の長部田インターまでができ上がった後、多久-佐賀間のほうに事業が戻りますよというふうな話をいただいておるわけですよね。それはそれで構わないんですよ。  ですから、それと相まって、このような事業計画からいたしますと、私は平成七年、唐津市会議員に初当選させていただきましたが、そのときに、私は今も記憶しております。佐賀唐津道路の全線が、今、供用開始しております唐津インターに向けての全線が黒線でずっと書かれた地図があったんですよ。それを一回見せていただきました。ただし、それをすぐ回収されたですもんね。  ただ、そこまでの流れというのはあると思って期待をしているわけでございますし、その折に、先ほど言いましたように、先輩が、この佐賀唐津道路は、佐賀空港ができることに対して、やはりそれまでにはこればつくりますけんということでしてもろうとっちゃけんなとかなんかいう話で、そういった先輩からの話を聞いておりましたんで、先ほど言ったような質問をさせていただいたわけでございます。  ですから、そこのところは、やはり並行してするのはなかなか難しいのかなと思うんですが、やはりせっかくあれだけ唐津-相知間も進捗しておりますんで、これを長部田でとめなくて、やはりそこからおりていってほしい。  何でかといいますと、唐津-相知間というのは、国道二〇三号と県道の浜玉相知線、この二本しかないんですよ。もう一回言いますと、多久-佐賀間は何本ありますか、あえて言いませんけど。  一回、田頭のところは崩落がありました。それと相知警察署のところはあのときに冠水したんですよ。この二本が全線ストップしたんですね。すると、やはり伊万里のほうを回ってというふうな流れの道しかなかった。やはり二本しかない。でも、多久-佐賀間はあるんですよね。  やはりこの佐賀唐津道路は全線早期の開通を望むわけでございますんで、多久-佐賀間ももちろんですが、唐津-相知間も引き続き事業の推進に努めていただきたいという思いでございますが、このことに対しては期待をしているもんですから、その辺のところをやはりお願いしたいなと思います。  もう一点、無料化でございます。この無料化の件でございますが、いろいろ調べさせていただきました。佐賀新聞等にもたしか報道もなされたと思うんですが、やはり先ほどの部長さんの答弁にありましたように、まだまだ大変大きなお金が償還必要額として残っているのも承知はしておるんですが、新聞報道によりますと、「福岡県道路公社は『仮に無料化しても、一般道からの乗り換えで通行量が増えるだけなら、あまりメリットはない。債務の問題だけでなく、通行量の総量をどう増やすかの努力が不可欠』」と何か話されたそうなんですよね。  そしたら、今、半年間でございますが、高速道路の無料化社会実験が行われているわけですよね。そのデータを見させていただきすと、やはり佐賀の中で一番近い、例の武雄佐世保道路を見てみますと、やはり着実にふえております。  数字を申し上げますが、ちょっと簡単にいきます。平日と休日と合わせた平均の数字を言いますと、試験前は一日九千台あった交通量が、実験中ではありますが、平均しますと約一万八千八百台。要するに二〇九%、二・一倍近くになっているわけですよね。  この武雄佐世保道路に並行して国道三十五号線がございます。これの数字を言いますと、実験前は約二万三百台通過しておったのが、試験に入りましたら、これは一万九千三百台というふうに千台ほどマイナスなんですね。  ということは、この西九州自動車道の武雄佐世保道路は約九千八百台ふえて、そして、現国道三十五号線はマイナス千台ということであれば、単純プラスマイナスの計算でございますが、八千八百台ほどがふえているわけですね。確かに市道、抜け道として行かれた方が国道のほうに来られるようになったかもわかりません。  でも、相対的に考えて、その程度ふえているということは、例えば、福岡の方でしたら九州縦貫道から横断道に入られて、それでここの佐世保のほうに入られて、そしてできれば、そこから私たちが期待したのは国見道路が無料になりましたんで、あそこを抜けていただいて、そして、唐津を経由してまた帰っていただければ、本当にうれしいよねなんて言っとったわけでございますが、そういったふうな数字が出ているわけです。  要するに、先ほど福岡の方がおっしゃっていた総量は着実にふえているんですね。すると、そういった思いででもやはりこの早期無料化というのは大変意味が深いと思うんですね。やはり経済状況は、あと二年後やりますからとか、三年後やりますからとかいうよりも、来月、例えば、あしたどうなるんだというような状況もあるんですね。でないと経済が活性化しないし。  ですから、知事、百歩譲って、土日だけでも無料化とか、そういったふうな策があってもいいんじゃないかなというふうに僕は思うんですが、そういったところを含めて答弁いただきたいと思います。  以上、終わります。 32 ◎古川知事 登壇=峰議員の再質問にお答えをします。  まず、佐賀唐津道路の中で、もともとの取り組みというのは唐津のほうが早かったけれども、今、事業が少し逆転しているんではないかというお尋ねでございます。  長部田の次にどこの地域をやるのかということについて内部で議論をしたときに、一つは、岩屋から長部田の区間において、当時、ハヤブサの営巣があったりとか、果たして何年度ぐらいにきちんと開通できるのかというめどが立ちにくかったという状況が一つあったのと、もう一つ、実はこうした道路は、佐賀と唐津という県庁所在地と人口で二番の都市を五十五分以内に結んでいこうという、もともと五十五分圏内で県内を結んでいくという構想の中の一環なんですね。  そうしたときに、渋滞の状況を見ていると、実は佐賀や小城のところの渋滞が結構激しくて、そこがスムーズにいくと、佐賀-唐津間の時間距離が短くなるんだということがいろんな統計から出てきたというところがありまして、その佐賀と唐津の間の時間距離を短くしていくためには、まずは、多久-佐賀間というか、ここから取り組んでいくことが効果的だろうというふうな判断もあって、これは私が知事になってからでございましたけれども、自分で判断したので記憶がございますけれども、何となく違和感みたいなやつを感じなかったわけではございませんけども、確かにそうなんだなというふうに思って、今、手をつけているところでございます。  平成二十五年度にようやく長部田までは一区切りつきますけれども、私どもも道路のありようとしては、唐津インターまで結ばなければならないと考えております。それについては、これは国が直轄でやっておりますので、現在の制度上は国に対してもうとにかくひたすらお願いをしていくしかないということで、先ほど部長から答弁させましたように、この期成会を通して要望活動をしていくということをやっていくほかないと思っております。  これは一日も早く結ぶことによって、先ほども大雨のときの話がございましたけれども、例えば、大雪が降ったような場合に、東脊振と鳥栖の間が通行どめになったようなときに、ここがうまく唐津インターまでつながっていますと、県内に立地している企業なども、いわばほかのバイパス的な機能でもって高規格道路と地域高規格道路で、例えば、福岡都市圏へアクセスができるということで、行政用語でリダンダンシーと申しておりますけれども、何かどこかが事故に遭っても大丈夫なような地域になっていくというのは、私は産業立地や、あとは救急の患者の搬送上も非常に大きな意味があると思っておりまして、これについては、私も一日も早く実現をしたいと考えているところでございます。  それと、二丈浜玉道路、そして、厳木多久道路の休日のみの無料化についてのお話がございました。  まず、二丈浜玉道路につきましては、確かにこっちの部分は佐賀県の分がかなり償還が進んできておりますので、ある意味、それは県が出資した分をどう考えるのかという決めの問題のレベルになってきていると思っております。  一方で、福岡県の道路公社のほうは、かなりの金額が残っておりますので、佐賀県の道路公社とは若干違う──若干というか、かなり違う事情があるのではないかと思っております。  確かに、実際に本当にふえるのかどうかということがポイントだというのはそのとおりなんでありますけれども、仮に実際にそれがふえるとしても、福岡県の道路公社はほかにもいろんな道路を抱えていて、それといわばプール制みたいにして償還をしていっているようでございまして、佐賀県ほど二丈浜玉道路分の償還が進んでいない現状にあると伺っております。  そうしたときに、果たして福岡側でその受け入れられる体力があるのかというところがあって、私は実はそこが一番のネックになるのではなかろうかと思っております。  一方で、例えば、東九州のほうでも無料化が進んでいく中で、やはりお客さんがその無料化されている地域に流れているのではないかという指摘は、私も商工会議所連合会のほうからもいただいておりまして、そうしたことについて研究すべきだということで御指摘をいただいております。  この実態がどうなっているのか、影響がどうかということについては、議員からも数字を示していただきましたので、こちらとしてもその研究をしていって、無料化のいい影響と、逆に無料化できない区間にどういう悪いというか、そういう影響が生じてきているのかということについても、しっかりと勉強をさせていただきたいと思っております。  また、厳木多久道路についても、これはまだまだお金が残っているので、二丈浜玉道路以上に大変な部分はあろうかと思っております。  休日だけ無料化できないかということについては、現在、道路整備特別措置法という法律、これは有料道路事業の根拠となっている法律でございますが、これではこうした期間限定の無料化というものは予定されておりませんが、もともとは高速道路についても、期間限定と区間限定の無料化というものは予定していなかったものを法律をつくってやったというものがございます。  私どもは法律はつくれませんので、やるとしたら、これは特区申請を行ってやっていくほかないと思いますけれども、まずはこうした高速道路の無料化実験が行われることによって、いい意味でどういう効果があり、悪い意味でどういう影響が出ているのかということを調べさせていただきたいと思います。  さらに言えば、国の高速道路の無料化実験は、別途用意されていた財源を使って行われることになっておりまして、その財源が尽きる三年間というふうに一応のとりあえずの区間がなっているというふうに理解をしております。  私どもが仮にこうしたことをやろうとしますと、それによって失われる収入というものをどういうふうに賄っていくのかということについても検討しなければならないと思っておりますので、そうしたこともあわせて検討していきながら、こうした道路の有効活用について研究をさせていただきたいと存じます。  以上でございます。 33 ◎伊東猛彦君(拍手)登壇=通告に従いまして、順次質問をいたします。  まず、知事の基本的な政治姿勢についてお尋ねいたします。  一昨年の衆議院選挙で我が自由民主党は政権から滑り落ちました。政権交代がなされ、昨年の参議院選挙、そして、衆参のねじれの実態で政治が滞っている現状があると。ここ一年以上は連日、小沢か、非小沢か、政治と金の問題で終始するような事態であります。本来、論ずべき国のこと、国民生活のこと、そこが置き去りにされている。日本政治が矮小化をしていると、私は憤りの気持ちでいっぱいであります。  この間、国とは何ぞや、都道府県の役割とは何ぞや、すなわち地方自治体の役割とは何ぞや、そういうことを考えてまいりました。  明治四年、廃藩置県によって、我がふるさとは佐賀県、唐津県、小城県、蓮池県、鹿島県でスタートいたしました。明治十六年、これらの県が一つになって現在の佐賀県が誕生いたしました。その年に佐賀県議会が開設をされました。明治二十三年、国会開設に先んずること七年であります。  日本国憲法は地方自治について、第九十二条から第九十五条において規定をしております。  九十三条には「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」としております。これは二元代表制の根幹であります。  九十二条には「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」としております。  法律をつくるのはだれか。憲法第四十一条には「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」としております。法律をつくるのは国会議員であります。  私どもが望んでおる地方主権改革関連三法案は、参議院で先月先議され、可決されたにもかかわらず、二度にわたり継続審議になっております。  私はさきの参議院選挙を思い出します。全国知事会においても、民主、自民両党のマニフェストを掲げ、少々我が党が点数がよかったと思いますが、ここでも知事が答弁をされておりました。選挙の折の六団体の要望、意見は、ほぼ両党は丸のみするような答弁をしておりました。地方分権、地方主権改革、言葉はそれぞれあります。政権与党によって呼び名は違っているのかもわかりません。  先ほど来、知事からの答弁にありますように、法律をつくるのが国会の場である以上、私たちはそのもとにいなければなりませんが、私の言葉で表現しますと、地方の権限を創出する地方創権を遂げていかなければならない、私はそう強く思っております。  地方のできることはすべて地方で行う。国と地方の協議の場をつくり、このことを議論して法律までなんて、もう何年たちましょうか。陳情という形ではなくて、意思決定の場に私どもが、地方のそれぞれの代表が参加をし、地方が自己決定をしていく時代を必ず迎えなければなりません。地方の輝きなくして、国の輝きはありません。  以上の観点から質問をいたします。  まず、九州広域行政機構の目的についてであります。  九州知事会は、九州広域行政機構を設立し、予算を足せば一兆円以上と、九州にある国の出先機関の受け皿をつくろうとしております。  国の出先機関を地方へ移管することは、私は進めなければならないと。これは国のアクション・プランに基づく、その発想を、私どもから言えば、もっと積極的にとらえ、このことを提言されているというふうに私は思っておりますが、きのうも知事の答弁があっておりました。二元代表制をするんだと。国の行政組織ですから、今までの国だったら、そこに事務次官的な事務のトップが当然想定されるのかもわからない。そこを知事の連合の委員会でやろうとされていると。そこに議会の代表も入れると。  私はつくづく思うんです。例えば、独法化された国立佐賀病院を国会議員が運営まで見ることができていただろうか。それは物理的に不可能であったと。だから、同じ九州の広域もそうでありましょう。私たち八県の議会のほうがそばにいるし、近くにいると。そのことを逆手にとって、当然、法律で位置づけなければならないということですから、私はこの設置を契機にしてほしい、そして、その一歩先を見越してやってほしいと。国が認めなければなりませんが。ですから、この九州広域行政機構の設立は何を目指すのか、その目的を伺います。  二番目に、九州広域行政機構と道州制のあり方についてであります。  我が自民党は、道州制担当大臣を置き、当時、五年後か十年後かちょっと定かじゃありませんが、道州制導入を主張しておりました。ちょうどブロックごとの公聴会に佐賀県から坂井副知事がお見えになりました。私は前議長である石丸議長のかわりにこの公聴会に参加をした次第であります。  国の形を変える、地方の形を変える。今の政権は道州とか、そういうことを明確に位置づけてはおりません。そういう意味で、この道州制推進の立場を私はとりますが、この九州広域行政機構と道州制の関係を知事はどうとらえているのか、それをお尋ねします。  三番目に、地方分権改革が目指す姿についてであります。  地方分権改革、私に言わせれば地方創権。この改革の行き着く先はやはり国家像が明確になり、それに向かって進むことが重要であります。  ちょうど私も我が党の公聴会に行った折に、座長が久世元参議院議員ですかね、その会議が終わった後、道州制になった後の国の姿はどうですかと座長に聞いたところ、そのことはまだ検討をしていないと。当然、地方が変わるためには国も変わるという、本来ならば、リセット論であるべきであると思いますが、地方分権改革が目指す姿、国家像について知事はどのように考えているのかお尋ねします。  四番目に、大都市問題と地域政党についてであります。  県と市町の関係について、佐賀県は、県と市町が協議を行い、県から市町に権限移譲を進めることで、県と市町の役割分担の明確化を進める公式な協議の場をつくられました。県と二十市町の佐賀県であれば、その手法は現実的であると。陳情という形じゃなくて、そもそも論でこの会議は行われているものと私は認識をしております。  ただ、全国的には、大阪府の橋下知事は、大阪府と大阪市を一体再編する大阪都構想、また、名古屋市の河村市長も新しく当選された愛知県知事と中京都構想を掲げていると。四十七都道府県のそれぞれの中からいろんな主張が行われております。  橋下知事は大阪維新の会、河村市長は減税日本、地域政党をそれぞれ立ち上げられ、みずからの主張を実現しようとしていると。これは知事も答弁されておりましたが、議会と執行部が二元代表制であるならば、首長がそういう地域政党をつくるのは本来の姿ではないと私も思いますが、改めて、これらの地域政党について、知事はどのような認識を持っているのかお尋ねします。  五番目に、内閣総理大臣に対する姿勢についてであります。  国の行政のトップは内閣総理大臣であります。地方行政のトップである知事が総理大臣に会う機会は、お聞きしますと年一回の政府主催の全国知事会であるとお聞きをしております。  かつて、我が党の福田康夫総理の折に、減反を守るところと守られなかったところがあって、その差、それからこうむる不利益のことを福田首相に直接訴えられたと、そういう話も聞いております。  このたびは諫早湾干拓問題につきまして、我が議会を代表する留守議長と知事が菅総理にお会いになったと。  総理まで会って実現できないとなると、政治不信ここにきわまれりと思いますんで、そのことは知事のみならず、私たちも全力をかけるべきことでございますが、そのことを踏まえて、政策実現のために知事が内閣総理大臣に接する機会は貴重な場だと思いますが、総理に直接な意見具申、要望する際、どのような点を思い、行動しているのかをお尋ねします。  六番目に、国における政治家と官僚の関係についてであります。  民主党政権は、政治主導による政権運営を標榜しました。事務次官会議の廃止、地方、関係団体からの要望については官僚が対応することを禁止し、政務三役が直接受けることなど、政府の政策決定過程から官僚を排除しております。  知事は、民主党政権における政治家と官僚の関係についてどう認識をしているのか。  七番目に、子ども手当についてであります。先ほども稲富康平議員が触れられました。  現在、二十一日時点で六十五自治体が地方負担分の拒否を表明されております。子ども手当は半額支給で始まりました。国の財政状況を考えると、満額支給はまずあり得ないと思います。現金を給付することは私はいいことだとは思わない。この子ども手当について、そもそも論として、知事はどのような認識に立たれているのか。  八番目に、高等学校授業料無償化についてであります。  高等学校の授業料無償化が昨年四月一日から開始されました。私立高等学校に通う生徒については、授業料や校納金などで公私間格差が広がっていると私は感じます。  私立高等学校に対する運営費助成については、計画的に引き上げられ、ここは私学の気持ちをよく受けとめていただいているとは思いますが、こうした保護者の負担の公私間格差について、知事はどのように認識をされているのかお尋ねします。  二項目めは、ともに触れ合う社会づくりについてであります。  平成二十三年、本年は第四期ゴールドプランの最終年になります。佐賀県は平成十二年に高齢化率が二〇・三%だったものが、二十四年には二四%まで上昇いたします。平成十二年に介護における不安、基礎的な社会システムとして介護保険制度が創設をされました。施設福祉から在宅福祉へという高らかな理念は一貫してあるものの、施設整備に対する期待は大きく、県内でも特別養護老人ホームの待機は現在でも千人を超えております。  第四期ゴールドプランにおいては、要介護二以上の認定者に対する介護三施設の利用者の割合を平成二十六年度まで三七%とする国の参酌標準に基づいておりましたので、新たな広域型特別養護老人ホームの整備は、たとえ要望があっても増床が見込まれない現状がありました。  この件は、一昨年五月二十八日、全国介護担当者会議において、第五期において、将来において必要となる見込みを上げてといいと。そして、昨年六月十八日、内閣において三七%の撤廃が位置づけられました。  住みなれた地域で暮らしたいと思う高齢者の皆さんのためには、家族介護の負担をできるだけ少なくし、介護と看護の一体的な提供が必要であります。これが地域包括ケアシステムであります。このシステムの重要な役割を担う訪問介護を提供する事業所の絶対数が不足をしております。訪問看護と訪問介護を別事業者が行う形態が多い現状もあります。医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく行えることが重要なことであります。  例えば、東京の世田谷区は、夜間対応型訪問介護と二十四時間随時訪問サービスを始めました。古川知事は、宅老所やぬくもいホームの整備、光の当たらなかったところの整備を積極的に進められました。増加する知的障害や発達障害の早期発見、治療は時代の要請であります。  また、高齢、または障害を有する共生施設退去者に退所後の受け入れ先の調整は、地道な努力と、家族、地域、関係者の心からの話し合いが必要であります。障害のある方や高齢者が行き場をなくしてはなりません。あらゆる人を受け入れ、ともに生きる社会でなければなりません。光の当たらないところに光を当てるのが政治の責任であります。これから県民の暮らしのどこに光を当てていくのか、知事に福祉のあり方そのものをお尋ねいたします。  この項で一番目、福祉行政のあり方についてであります。  知事は新たなことに取り組まれる一方、先ほど申しましたように、平成二十一年度から二十三年度を計画期間とする第四期ゴールドプランでは、特別養護老人ホームの増床が盛り込まれませんでした。平成二十四年度からの第五期では、入所を待ち望んでいる県民のためにも、増床を計画すべきであると思いますが、どのようなお考えなのか。  また、このことも踏まえて、知事は福祉行政のあり方についてどのように考えているのかをお尋ねいたします。  二番目に、県立福祉施設の民間移譲についてであります。  民間にお願いできることは民間へと、そのような理念のもと進められた県立福祉施設の移譲でありますが、利用者から民間に移譲してよかったと、大きな成果を上げたと言えるものでなければならない。これまで五つの県立施設を民間法人に移譲されておりますが、県が運営していたときと比べ、どのような点で充実を図られているのかを健康福祉本部長にお尋ねをいたします。  三項目めは、九州新幹線鹿児島ルートの開業効果についてであります。  来月三月には、日本国内で新たな新幹線が二つデビューをいたします。三月五日に東京-新青森間で、最高時速三百キロの東北新幹線「はやぶさ」の運行が始まります。東京-新青森間をこれまでより四十九分短縮させた三時間十分で結ぶことになります。  一方、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、博多-鹿児島中央間を五十三分短縮させて一時間十九分で運行をいたします。この開通で、九州と関西の時間、物、距離が縮まります。最速タイプ「みずほ」は、新大阪-鹿児島間が一時間十七分短縮した三時間四十五分となります。  新鳥栖駅が開業する鹿児島ルートの全線開業を機に、人、物、お金、情報の新たな流れをつくり出し、地域経済を活性化しなければなりません。例えば、鹿児島ルートの開業で、「かもめ」、「みどり」の佐賀駅の発着本数が七十二本から八十九本に増加をいたしました。これも直接関連する効果であると思います。  熊本県の地域流通経済研究所が、九州新幹線について次のような調査を行っております。  熊本を訪れる交通機関は、首都圏からは航空機利用六六・七%、乗用車利用は九州から約六割、鉄道の比率は中国地区並びに京阪神が高いとの調査が出ております。熊本県も、熊本を初めとする駅を最大限活用し、有効利用しようと、終点、始点だけではない努力をされていることで、このような調査があっていると私も思っております。  この熊本の傾向は、佐賀県にも当てはまります。平成二十一年観光客動態調査によりますと、佐賀県の観光客数三千十七万七千人、宿泊数二百十万人とあります。そのうち、九州からの観光客は四七%に上ります。乗用車利用は七四%と非常に高い利用であります。  九州新幹線全線開通で、九州間の移動が必ずふえ、関西からの入りと出が飛躍的にふえると、また、ふやさなければならないと私は思っております。  JR西日本の広告には「九州!直結!新幹線」とあります。  冒頭申し上げました東北新幹線の「はやぶさ」の、山手線の中のつり広告を見て、非常に印象に残ったんですが、こう書いてあるんですね。「かつてニッポンが変わる時、世界が変わった。夢の超特急が走る時、時代が加速した。メイド・イン・ジャパンには、夢を現実にする力がある。(中略)まもなくニッポンは、新しい速さと快適さを手に入れる。またひとつ私たちは、夢を現実にする。」と、そのような内容です。
     蒸気機関車、最初の新幹線、「はやぶさ」と載っていて、東京タワー、スカイツリーが大きく出ているような、今疲弊した日本で、何か夢にかけること、それを最大限利用することが必要であると、私は常々思っております。  そういう観点を踏まえて、今回の鹿児島ルートの開業によって、観光振興を深め、どのような経済効果を期待し、佐賀県を活性化するためにどう取り組むのかを知事にお尋ねいたします。  最後の項は、県立病院好生館についてであります。  県立病院好生館が地方独立行政法人として新たにスタートして、約一年が過ぎようとしております。今までの県病院と独法化の県病院、私の感覚では、県議会から何かすごく遠くなった気がいたします。  例えば、昨年の二十一年度決算を認定する決算特別委員会の中で、当然、二十一年度ですから、これまでの好生館の決算であるんですが、答弁者はもう独法になっておりますんで、そこに樗木館長にお見えいただいて答弁をしていただくことはできないんですね。参考人招致としてやればできるわけですが。そういうことで予算組み、今回もされております。そして、中長期基本計画を出し、そして、法人がその計画を達成するために努力しておると思いますが、私は新病院の建設が始まった今だからこそ、独法化、これまで以上に重大な関心を持って、好生館の行く末、また現状の把握に努めていくのが私どもの責務であると私は思っておる次第であります。  知事を初めとする執行部、実際に新病院を運営する好生館、議会、この三者が深く連携をとり、よりよい好生館のあり方、また実現、何よりも県民の期待にこたえ得る好生館であり続けてほしいと、そういうことを強く感じる次第であります。  そこでまず第一に、独法化後の県立病院好生館について、この一年を振り返って、独法化したことにより医療体制等において大きく変化したことはどのような点か。その結果、今年度の決算見込み等の経営状況はどうなっているのか。また、どのような課題が発生をしてきたのか。  二番目に、新県立病院建設についてであります。  新県立病院の移転改築事業にかかわる総事業費はどのようになっているのか。また、その際、全体事業計画の中で、県の負担額や法人の負担額はどのようになるのか。  三番目に、新県立病院好生館のあり方についてであります。  今後、新県立病院好生館の目指すべき方向、あり方についてどのように考えてあるのかお尋ねをし、質問を終わります。(拍手)(発言する者あり) 34 ◎古川知事 登壇=伊東猛彦議員の御質問にお答えします。  まず、九州広域行政機構を設立しようとする目的は何なのかというお尋ねでございます。  大きな目的は、九州のことは九州で決めるということと、税金の使い道を住民の目に見える形にするという二点でございます。  具体的には、現在の国の出先機関は一・四兆円という膨大な予算と事務権限を持っておりますが、社会資本整備や産業政策、観光振興などは、いわば二重行政となっている部分がございます。観光などは、県がやっている部分と運輸局がやっている部分、ダブっている部分がかなりございます。こうした点が効果的でないところがあるということや、また、出先機関には議会も監査委員もございません。税金の使い道や事務事業のあり方について、直接、住民の目線、視点からの指摘が届きにくいということもございます。しかも、そのトップは役人でございます。住民が選挙で選んでいるわけではございません。こうした課題があると考えております。  このような幾つかの課題を持つ出先機関を、九州広域行政機構が受け皿となることで、地方公共団体の機関となります。そのことによって、二重行政を排除し、効果的な施策の実施を図ることができますし、知事連合会議や議会代表者会議を置くことで、政治家によるガバナンスが徹底され、ブロック機関の行政に民意を反映しやすくなると考えております。  なお、知事連合会議は、各県知事により構成される会議でございまして、トップを定めはしますが、合議制で行っていくということでございますので、一人の代表者がすべての責任を負うということではなく、それぞれ自分が担任する事項について責任を負うという形を考えているところでございます。  また、現在、国の出先機関の場合には、外部監査制度や住民訴訟、住民監査請求の対象となっておりませんが、この九州広域行政機構については、こうしたものの対象にしたいと考えております。そのことによって、税金の使い道を納税者の視点でチェックすることができる。すなわち、住民自治の点から見ても、非常にガバナンスのきくものになると考えております。  次に、九州広域行政機構と道州制の関係についてでございます。  九州知事会の中でも随分議論がございましたが、その議論の結果、九州広域行政機構と道州制とは別の議論という整理になりました。同時に、都道府県と九州広域行政機構を、広域行政自治体のあり方として最終の形と考えているというわけでもないということでございます。  九州広域行政機構は、目的は、国の出先機関の受け皿づくりでございます。また、時間軸としても、来年の通常国会には関連法案の提出を目指すものでございます。  これに対して、道州制は、単なる都道府県合併や連携といった、いわば横の再編ではなくて、中央政府本体の解体や再編を伴う、国の形そのものを改革していくような、いわば縦の再編でございます。  九州では、既に道州制の九州モデルをまとめておりますが、現在の政治情勢を考えますと、この道州制については中期的なスパンで考えざるを得ないと認識をしております。  九州広域行政機構と道州制とは、目的や時間軸とが違っておりますが、九州という単位で行政組織をつくって、九州のことは九州で決めるという考え方そのものは、道州制と機構には相通ずるものがあると考えております。  その意味では、私は、機構の設立というものは、表現はどうかと思いますが、道州制のトレーニング的なもの、あるいは道州制に対するさらなる議論や関心の誘発になるということはあり得るのではないかと思っております。  次に、分権改革が目指す姿についてというお尋ねでございます。  私は、地方分権は何のためにやるのかというと、自分たちに責任をとらせてもらうためだと考えています。権限でも財源でもなく、地方政府が必要な責任を果たすということ、何かあったときには責任をとるということが、私は分権改革の肝要なポイントだろうと考えております。  一方で、中央政府はやることはないのかというと、私はそんなことはなく、むしろこれだけグローバル化が進み、グローバル化という言葉の一方で、国家間の利害対立が激しくなっていく中で、中央政府に果たしていただくべき役割は、かなり高く、重要なものがあると私は考えております。  逆に言えば、そういう外交、安全保障や地球規模で考えなければならないような問題、国家としての経済政策、こうしたものについては、これまで以上に中央政府がしっかりやっていただきたい。そのかわり、内政の多くについては地方政府に任せていただきたいというのが私の地方分権改革に対する考え方でございまして、こうした役割分担をすることが国家そのものの発展や、成熟期に達した国民生活の向上に必要であると考えているものでございます。  地方においては、基礎自治体が、福祉、教育といった地域のきずなを守る役割を中心に担っていく。また一方で、都道府県などの広域自治体は、産業や高等教育、社会資本整備など、いわば成長の基盤を生む役割を果たしていく。こうしたことで、中央政府、広域地方政府、基礎地方政府の、この三者が徹底した役割の分離をすることが必要だと考えております。  こうしたことによりまして、今の融合型のあり方から分離型に変えていくということによりまして、責任を一貫して担うことができる仕組みをつくり上げることができるものと考えております。  次に、大都市問題と地域政党についてでございます。  議員からは、大阪や中京都構想、そうしたことについての言及がございましたが、正直に申し上げますと、こうした大阪都構想などの大都市構想については、実感がわかないというところでございます。  私ども、人口八十六万人でございますし、しかも、佐賀県は九州のほかの県とも違うのは、県庁所在地に人口が集中していないということでございます。佐賀県そのものが一つの大きなネットワークになっているということでございまして、そうしたことを考えたときに、県庁所在地と都道府県そのものを、何か融合、一体化させるというプランについては、ちょっと私はぴんとこないと思っておりますが、もともと指定都市のあり方については、これは地方自治の世界で言えば、もっともっと真剣に議論されなければならない課題だとは思っております。  東京都は特別区という制度があって、例えば、小学校の教育なども、世田谷区立砧小学校みたいな感じで行われているわけでございますけれども、大阪市を初めとする政令市においては、区立小学校というのはなく、大阪市や福岡市が持っているという部分においても、そういった点に違和感があったりするという部分はあろうかと思っておりますし、一方で、世田谷区は区だけで九十万人おります。その世田谷区だけで佐賀県以上の人口がいるわけでございます。  さらには、人口が一番多いのは横浜市でございますけど、人口三百万人でございます。三百万人も人口がいて、果たして本当に基礎自治体と言えるのかという問題を横浜市は抱えているわけでございまして、こうした余りにも大規模な自治体についてどう考えるのかということの投げかけとしては、私は意味があると考えておりますが、繰り返しになりますが、これを直ちに佐賀県に適用するというのは、ちょっとイメージがわかないなと思っているところでございます。  また、首長が地域政党を組織して、みずからの政策を実現しようという手法そのものについては、これは先日も御答弁申し上げましたが、せっかく地方自治制度が別々の民意を反映させるような形というものを予定しているにもかかわらず、それをあえて一つにするという必要はないのではないかと私は思っているところでございます。  国は議院内閣制度をとっており、それはそれで一つの意味もあり、効果もあるんだろうと思っておりますが、一方で、地方自治制度は、そうせずに、あえてこうした二元代表制を採用しているということを考えれば、私は多様な民意を反映させる手段としては、この二元代表制に意味はあると考えておりまして、自分自身がこうした地域政党を組織する気持ちがあるのかということについては、私はそういうことをやろうとは思っていないということがお答えでございます。  次に、内閣総理大臣に対する姿勢についてということで、総理に会うときにはどのようなことを考えているのかというお尋ねでございます。  私は、全国知事会のメンバーとして総理にお目にかかるということは、多分、歴代の総理に大概会ったと思いますけれども、そうではなく、佐賀県知事として佐賀県のことを総理にお話をさせていただくという機会は、確かに余りございませんでした。  政府主催の全国知事会議のとき、このときにはかなり意見は申しておりますけれども、それ以外のことで私が思い浮かべますのは、鳩山前総理についても、また菅総理についても、諫早湾干拓事業の関係でございます。これは、それだけ大きな問題でもあり、前総理も、現総理も、このことについては会おうという判断をしていただいたんだろうと思いまして、それだけ大きな問題だったんだろうと思います。  全国知事会議のときに、手を挙げても当たるかどうかわからない中で、内閣総理大臣に申し上げたいと思っているのは、私は、まず、ほかの県の知事が言うことは私から言わなくてもいいやと思っております。  先ほど議員からは、福田総理のときに、例の産地づくり交付金のあり方についておかしいということを、私はあのときはフリップをつくって、この総理官邸のホールと同じだけの面積のお米をつくったとして、幾らぐらいの収入になると思いますかみたいな話をしたんでありますけれども、こうした農林水産業の話については、実は今、全国知事会議の中で発言する知事がほとんどおりません。  私は、農業が非常に盛んな県の知事として、できるだけそういう声を届けていくことが必要ではないかと考えておりまして、そういったことに代表されるように、できるだけほかの県の知事が言わないこと、そして佐賀県の知事として言わなければいけないことということを意識して申し上げるようにしております。  そのときには、まずは文章は読まないようにするということと、総理もいろいろ言われますので、多分、全部は覚えておられないと思うんですよね。だから、何か印象を持ってもらえるように、フリップを使ったりとか、例を出したりとかして、とにかく通り一遍の話にならないようには臨んでいるところでございます。  それと、国における政治家と官僚の関係についてでございますが、官僚でなく政治家が物事を決めていくという、その心意気はよしとするところでありますし、ただ、やはりこれまでも大事なことは、私は政治家が責任を持って決めておられたんではないかなと思っております。  もったいないなと思いますのは、お役人の方々は、長年にわたるいろんな知識や経験をお持ちでございます。しかも、使う、使わないにかかわらず、そういう方たちには給料は払われているわけでございまして、給料を払われているのであれば、私は働いていただいたほうが国民のためになるのではないかと考えております。  いろんな説明や意見は官僚から聞くにしても、そうじゃない意見も一方で聞いていただいた上で、最終的には政治家が判断するというのが、政治家と官僚の関係としては望ましいのではないかと私は思っておりまして、役人のことばっかり聞くというのでもいけないでしょうし、また、全く聞かずに自分たちだけでやるというのも、またもったいないんではないかなというのが私の考え方でございます。  それと、何より、政務三役の方は大変忙しいということがありまして、何とか時間をとっていただいたにしても、五分、十分の世界でございます。我々として、きちんと県民の声を伝えなければいけない場においても、本当に伝わっているんだろうかと思うことも正直言ってございまして、官僚のほうが時間がとれますので、やはり官僚にも時間をとっていただいて、じっくり話を聞いていただくということも、私は意味のあることではないかと思っておりまして、これはやはりちょっと変えていただければなと思っているところでございます。  それと、子ども手当について、率直にどう考えるのかというお尋ねでございます。  現金給付そのものは、これまでの政権においても児童手当という形で給付されておりました。これもかなり長い歴史を持っております。ですので、現金給付そのものがいけないということではないんだろうと思っております。  今回、いろいろな論点が出てきておりますのが、一つは金額が非常に多いがために、数兆円に及ぶ規模をどういう財源を確保して行うのかということについて、現在、きちんとした説明がなされていないということであろうと思っております。  もともと、事業仕分けその他の大きな見直しによって財源確保するという予定になっておったかと思いますけれども、現在までのところ、その財源が確保されていないということで、そういう中でもあえて特例公債を発行してまで子ども手当を支給するのかが問われているということであろうと思っております。  私は、社会全体で子育てを支援していくという姿勢については理解ができると思っております。ただ、もともと地方負担を前提としたような平成二十二年度の子ども手当は、二十三年度はやらないというふうにおっしゃっていたのが、そうなっていない点はまことに残念だし、遺憾だと思っております。結局、地方の意見が反映されなかったということについては、非常に残念に思っておりますし、残念というだけでなく、これについては非常に問題だと思っているところでございます。  この子ども手当そのものについては、本来の期待される用途に沿った形で使っていただければと思っておりますが、そもそも、子ども手当という手法をとるかどうかにかかわらず、例えば、医療や給食費、教育といった、子供が育っていくために必要なお金について、できる限り、世帯のお金の状況に左右されずに子供がきちんと育っていくという社会のほうが私は望ましいと思っております。  そのためには、こうした子育てに対する支援は充実したほうが望ましいと思いますが、ただ、それには財源がどうしても必要になってまいります。私は、こうした財源を確保していくためにも、消費税を福祉目的税にした上で、やはりそうした用途に使うことについて理解を求めていくということが、私は政治家として求められていると考えているところでございます。  次に、高等学校の授業料無償化についてでございます。  これも議員から今御指摘ございましたが、理屈と実際が違ったという例の一つであろうかと思っております。  一般論的に申し上げますと、標準的な私学の授業料が二万二、三千円として、そして県立高校が一万円ぐらいとして、一万円の部分が無償になりましたんで、その分、私立の標準的な授業料が二万二、三千円から一万二、三千円になったわけでございます。この公私間の差額というものは、去年までとことしとで変わっておりません。変わっておりませんが、やはり親御さんを含め関係者の受ける印象というものは随分違うということを、いろんな方からお伺いします。保護者の方からもお伺いします。いわば、県立高校に行くぎ、ただやろうもんて、私立は金のかかろうもんみたいな言い方になっているということをよく伺います。  その意味で、公立高校の授業料の無償化にしても、私立高校の授業料の支援にしても、本来は、家庭的な事情に関係なく、安心して進学や就学ができるようにという方針のもとに打ち出された政策だろうとは理解をしておりますものの、実際には、私学にとってかなり厳しい状況になってきているというふうに私も認識をしております。  私は、本来は公立高校を選ぶのか、私立高校を選ぶのかということについては、授業料が違うからあっちに行くということではなく、やはり自分が行きたい学校に行けるようになるというほうが望ましいと思っております。無論、一部の授業料の非常に高いところは別にしましても、標準的な授業料で学校経営をやっているところについては、そういったお金のことを余り気にせずに学校を選べるような状況になることが、私は社会のあり方としては望ましいと思っているところでございまして、こうした意味で、保護者負担が違うからという理由で学校を選ぶという状態は、余り望ましいものではないと考えております。  私どもも、財源の関係がありますので、こうしたものについて急に格差を解消していくことはなかなか難しい状況にはございますが、私どもは問題点としては、私立高等学校についても標準的な授業料までは無償にすることを国に対し提案をしておりますし、県としても、保護者負担が少しでも軽くなるようにということで、今後とも、私立高校の負担の軽減化については取り組んでいかなければと考えているところでございます。  次に、福祉についてのお尋ねでございます。  まず、第四期ゴールドプランで特別養護老人ホームの増床が盛り込まれなかった点についてのお尋ねがあったと理解をしております。  特別養護老人ホームは、分類では居住系サービスと呼ばれるものでございます。施設でございますので、そこに高齢者の方が住んでいただくということで、居住系サービスというふうに分類されております。  我が佐賀県は、この特養に代表されるような居住系サービスの施設利用者の割合が全国一位になっております。全国で一番高い県になっております。すなわち、こうした特養を必要とする人たちの数に対して、実際に特養に入っておられる方の率が非常に高い県ということになっております。もちろん、希望者全員が入っておられるわけではなく、希望するのに入れないという方がいらっしゃるのは、議員御指摘のとおりでございます。  そうした方に、そういう気持ちにこたえたいということもあるわけでございますが、こうした声にこたえる形で特養をふやしていきますと、当然のことながら、介護保険料が上がってまいります。そうしたこともありまして、どれくらい特養をつくっていくのかについては、県内の各保険者に意見を聞き、その意見を聞いた上で策定をすることとしております。  今回、第五期のゴールドプランを策定していきますので、そのときには、まずは議員おっしゃっているような、地域住民のニーズが那辺にあるのかの調査をしていきたいと思っております。  また一方で、保険者や市や町との意見交換を行っていきながら、こうした地域住民の方々の声に対して、どのように基盤整備を行っていったらいいのかについて、しっかりと声を聞いた上で計画に反映させてまいりたいと存じます。  次に、福祉全般に関する考え方はどのようなものであるのかということについてでございます。  私は、これまで取り組まれてきた施設福祉などの充実に加えまして、だれもができるだけ住みなれた地域で働いて暮らすことができること、そして、ユニバーサルデザインを前提とした、だれもが暮らしやすい社会を県民の皆様とともにつくっていくこと、この二つを福祉行政の柱としてやってきております。  御紹介いただいた宅老所やぬくもいホームの例もそうでございますし、また、子供や障害者を一時的に預かっていただくといったこともそうでございます。確かに、施設による福祉や保育所によるサービスなんていうのは、非常にレベルが高く、安心して利用できるという点は大変すばらしい点であるかと思いますが、一方で、こうしたものしか福祉が提供できないということになると、逆に、限られた人しか利用できないことになってしまうと考えております。  在宅の延長としての気軽な日常的な福祉というものがあってよいのではないかということと、国の制度がどうなっていようと、地域のニーズに沿った形、お客様のニーズに沿った形でのサービスの提供が自治体ではあってよいのではないかという考え方で、この福祉について取り組みをしているところでございます。  私はこの施設についても、要らないということを申し上げているわけでなく、これからも、施設や制度的に保障されたさまざまな福祉関係者がこれまで行ってこられていることについても、しっかりと充実をさせていかなければならないと思っておりますけれども、それだけではないさまざまな形の福祉について、現場の声にじっくり耳を傾けながら進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、九州新幹線鹿児島ルートの開業効果についてのお尋ねでございます。  どのような経済効果を期待し、佐賀県を活性化するためにどう取り組んでいくのかというお尋ねでございまして、議員からお話のございました東北新幹線の「はやぶさ」の開業のポスターは私も拝見をしました。非常にいい言葉だなと思いながら、私もじっと眺めておりました。まさにこの新幹線で通じていく、つながっていくということが、その地域だけでなく、特に「はやぶさ」の場合は新しい技術を用いた車両ということもありまして、国全体に夢をもたらしてくれるということを感じさせるような、そういうポスターでございました。  この九州新幹線鹿児島ルートそのものは、車両的には新しい技術を使ったというものはございませんけれども、何より、我々佐賀県を含めた九州が関西と直結するというところでございます。この効果をぜひとも、少しでも大きなものにしていきたいというのが私の願いでございます。  一つ単純な例で申し上げますと、この新幹線の駅というのは、JRやJTBの分厚い時刻表でも前のほうに色が別の形で記されております。私はあの新幹線ネットワークというのは、列島のいわば軸をなすネットワークとして認定された区間が新幹線として別のところで前のところに書いてあるもんだと考えておりますけれども、まさにそこに新鳥栖駅が位置づけられるということになりまして、この国家の幹線軸に位置づけられるということで、一つには知名度がアップするといったこともあるだろうと思っております。  ただ、残念なことに、新大阪駅直通の「さくら」の新鳥栖駅停車は一日上下七本と現時点では少のうございます。直接関西、中国地方から佐賀県を訪れていただく機会は、熊本県や鹿児島県に比べれば小さいと言わざるを得ないと思っております。  ただ、私は、新鳥栖駅は実際に使っていただくと、その便利さに気づいていただけるものだと考えておりますし、とにかく情報発信をしていくこと、新鳥栖駅を発着するような観光ルートを盛り込んだ旅行商品をつくっていただくことなどなど、とにかく考えられるあらゆることをしていくことによって、この新鳥栖駅を使った取り組みが佐賀県全体の効果として広がっていくようにしていきたいと考えているところでございます。  今回は新鳥栖駅でございますけれども、平成三十年ころに西九州ルートの開業が予定されております。これは県内を横で貫く線になってまいりますので、こうしたときに生かすことができるように、今回の新鳥栖駅の開業をいろんな意味で最大限活用していきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 35 ◎平子健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、県立福祉施設の民間移譲についてと、県立病院好生館についてお答え申し上げます。  まず初めに、県立福祉施設の民間移譲についてですが、これまで民間移譲した施設からは定期的に御報告をいただき、また、直接職員がお伺いして状況の把握をしておるところでございます。  いずれの施設も利用者の立場に立って、新たな取り組みやサービスの充実に御努力いただいていると理解しております。  私自身も、これまで民間移譲いたしました五施設に出向いて、直接自分の目でその運営状況を確認してきたところでありますが、例えば、佐賀向陽園では、移譲後に医師や看護師の増員による医療的ケアの充実や、オンコール体制の整備などが行われており、民間移譲による効果を実感することができました。  その他、サービスが充実された例といたしましては、日の隈寮では、アルコール依存症を持つ入所者の増加に伴い、今年度から精神保健福祉士による月一回の断酒会を実施、また、歯科医師等による歯科検診及び個人別口腔ケア指導の導入などがなされています。  佐賀向陽園では、要介護者の増加に伴う居室の段差の解消、また、介護予防訓練を目的とした作業療法士等によるレクリエーションの導入。  九千部寮、金立寮では、利用者の嗜好を反映するなど食事メニューの改善、毎朝の検温を初めとするきめ細やかな体調管理などが挙げられます。  さらに今後、佐賀向陽園では、来年度から介護保険法に基づく要支援、要介護認定を受けた方を対象に、食事、入浴などの身体介護やレクリエーション、機能訓練を行う、いわゆるデイサービス事業の開始を予定されており、同一敷地内にこのようなサービス事業所があることは、将来介護が必要な状況になっても安心できるという意見が家族会からも寄せられているところであります。  今後も移譲した施設を初め、本県の福祉施設において質の高い福祉サービスが安定的、かつ継続的に提供されるよう、県として担うべき役割を踏まえながら福祉の充実を図り、利用される方々の満足度向上へつなげてまいりたいと考えております。  続きまして、県立病院好生館についてです。  独法化後の変化についてですが、好生館は、地方独立行政法人へ移行したことに伴いまして、県条例上の職員定数の制約がなくなり、昨年四月と比較いたしまして、正規職員のベースでは百十一人の増員を行っております。このうち看護師は七十六名の増となって、昨年五月からは七対一看護基準が適用されております。  また、医師六名の増、理学療法士などリハビリに係る職員が五名増となったほか、視能訓練士、メディカルソーシャルワーカーなど、医療機関として必要があっても、県の規則上正規雇用ができなかった職員を正規に採用しております。  このように、独法化のメリットの一つとして、県の条例、規則などの制約を最小限にし、柔軟で機動的な運営が可能になると考えておりましたが、まずは人員の採用面において効果があらわれ、診療体制全般において充実が図られている点が、最大の変化であると考えております。  このほか、療養環境の整備、コスト意識の啓発、醸成など、新たな取り組みも始められていると聞いております。  続きまして、独法化後の経営状況についてお答えいたします。  地方独立行政法人会計基準に基づきまして、平成二十二年度の収支見込みは、医業収益の面で、看護師の増員に伴い、先ほど申し上げました七対一の看護基準を適用できたことや、平成二十二年度の診療報酬改定で十年ぶりのプラス改定があったことなどによりまして、前年度実績に比べて六億円以上の増収が見込まれております。  また、費用につきましては、増員を行ったことなどによりまして、人件費が約四億九千万円増加する見込みでありますが、その一方で、価格交渉や薬価のマイナス改定などによりまして、材料費が約二億円の減となっております。  その結果、二十二年度の決算では約六億七千万円程度の黒字が見込まれ、独法移行後の経営状況はおおむね順調に推移していると考えております。
     独法化後の課題についてですが、独法に対しては、四年間の中期目標期間において、達成するべき事項を中期目標としてお示ししており、独法は中期計画を策定し、この達成に努めておられます。  今年度は独法化後一年目ということであり、中期目標に掲げた事項のうち、例えば、医療スタッフの確保など成果を上げ始めているものがある一方で、多様な勤務形態の導入等、スタッフが就労したい、しやすい環境づくりなど、今後、中期目標期間中に取り組むべき課題もあると考えています。  いずれにいたしましても、今後、二十二年度の業務実績報告を受け、評価委員会による評価を行っていくこととしており、その結果については議会にも御報告してまいりたいと考えております。  続きまして、新県立病院の移転改築関係ですが、県立病院好生館の移転改築事業費につきましては、実施設計において、建物面積の縮小などにより工事費の縮減に努め、建築工事等の契約額を確定し、独法で積算を行ったところ、約二百二十三億円と見込んでいるということであります。  この財源としては、病院事業債が約百七十億円、国の補助金等が約三十二億円、県の一般財源による負担が約十億円、病院の自己資金が約十一億円を見込んでおります。  なお、病院の事業債につきましては、償還額の二分の一が独法の負担、二分の一が県の負担というふうになっております。  続きまして、新県立病院のあり方についてお答え申し上げます。  県立病院好生館の目指すべき姿については、県として独法にお示ししている中期目標に定めているところであります。  この中で、県内の中核医療機関の核となる基幹病院として、県民の健康の維持と県内医療水準の向上、地域医療の支援に貢献するとともに、患者、家族、医療人だれからも信頼され、人が集まる病院を目指すことを求めております。  県といたしましては、独法に示しました中期目標や、独法が策定した中期計画の達成状況に対する評価手続を通じて、県民に提供すべき医療の内容や病院のあり方などについて、改善すべき点は改善を求め、設立団体としての責務を果たしてまいりたいと考えております。  私のほうからは以上でございます。 36 ◎議長(留守茂幸君) 本日の会議はこれで終了いたします。  あす二十四日は一般質問、請願上程、議案及び請願の委員会付託を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後四時四十一分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...